股関節の保護機能
股関節は、体の中でも人間の動作に深く関わり、繰り返し使用する部位です。股関節には、体を安定させたり、関節内で起こる摩擦や衝撃のダメージを減らすための優れた機能が備わっています。股関節内の2つの骨の表面は、軟骨という2~7mm厚の水分の多いクッションの様なもので覆われています。また、股関節は関節包という袋に包まれ、その中は関節液と呼ばれる液体で満たされています。関節液は、関節を滑らかに動かす潤滑油の役割を果たすと共に、軟骨に酸素や栄養を与えています。
関節包(ほう)
大切な関節を保護するために、関節は関節包という柔軟性のある袋状の組織にすっぽりと包まれています。
滑膜(かつまく)/滑液(かつえき)
関節包の内側の薄い組織が滑膜です。滑膜は滑液を作り出します。
作り出された滑液は、関節の中で潤滑油の役目を果たし、さらに軟骨の栄養にもなります。
軟骨(なんこつ)
大腿骨骨頭と寛骨臼の骨の表面は弾力のある柔らかな軟骨で覆われています。
軟骨はコラーゲン、水、プロテオグリカンで出来ている保護組織です。
筋肉
股関節のまわりは様々な筋肉や腱に囲まれて補強されています。
股関節を動かすための筋肉は次のように大別されます。
屈筋 (くっきん) |
股関節を上に曲げるための筋肉 | 大腰(だいよう)筋、腸骨筋、縫工(ほうこう)筋、 大腿直筋、恥骨筋 |
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伸筋 (しんきん) |
股関節を伸ばすための筋肉 | 大殿(だいでん)筋、半腱様(はんけんよう)筋、半膜様(はんまくよう)筋、 大腿二頭筋 |
外転筋 (がいてんきん) |
股関節を外側に曲げる(足を開く)ための筋肉 | 中殿(ちゅうでん)筋、小殿(しょうでん)筋、大腿筋膜張筋 |
内転筋 (ないてんきん) |
股関節を内側に曲げる(足を反対側に開く)ための筋肉 | 大内転筋、短内転筋、長内転筋、 薄筋(はっきん)、外閉鎖(がいへいさ)筋 |
外旋筋 (がいせんきん) |
股関節を外側にねじるための筋肉 | 梨状(りじょう)筋、内閉鎖(ないへいさ)筋、上双子(じょうふたご)筋、 下双子(かふたご)筋、大腿方形筋 |
こうした組織が股関節を支え、安定した動きを与えています。