関節リウマチ(RA)
関節リウマチ
全身の関節に炎症を起こす疾患ですが、足部は最も冒されやすい部位の一つで30~40代の女性に多く発症すると言われています1)。
なかには、全身の関節には異常は認められず足首周辺にのみ関節リウマチを発症するケースもあります。
関節リウマチの患者数
厚生労働省の報告によると、国内におけるリウマチの患者数は、一般的に約70~80万人2)と言われており、高齢化の中、患者数は年々増加傾向にあるようです。発病はすべての年代で起こり得ますが、30歳代から50歳代で多く 3)、 15歳以下で発病する場合は若年性関節リウマチとして区別されています。日本人の場合、男女比は1:3と女性が多くなっています3)。
関節リウマチのメカニズム
関節リウマチの病因は体内の免疫(めんえき)システム(ウィルスなどの外来の病原体から体を守るために、抗体(こうたい)や免疫細胞で病原体を攻撃すること)が関係していると考えられていますが、まだはっきりと解明されていません。しかし、病気が進行するメカニズムは徐々にわかってきています。
関節を包む関節包の内側で関節液を作る滑膜という薄い膜がなんらかの原因で炎症を起こし、同時に滑膜細胞が異常増殖します。
滑膜内の血管が増加し、この滑膜組織に白血球(リンパ球やマクロファージなど)が入り込みます。
関節内で自己免疫(自分自身の細胞を攻撃してしまうこと)が起こり、マクロファージが炎症性サイトカインを過剰に放出し、主に破骨(はこつ)細胞・軟骨組織などの増殖を引き起こします。
破骨細胞・軟骨組織の過剰増殖により軟骨や骨の破壊が進み、やがて関節の変形へとつながります。
関節リウマチの症状
関節リウマチの初期の症状は関節炎に伴うこわばり、腫れと痛み、発熱などです。関節以外にも全身倦怠感、痛みなどの症状が現れることがあります。病気が進行すると関節の軟骨や骨が破壊され、関節の変形に伴う屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく)、強直といった重い症状が出るようになります。
※すべての症状がかならずしも起こるわけではありません。
出典
1:「図説 ⾜の臨床. 改訂第3版」メジカルビュー社 2010 p.379-382
2:「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書」平成23年8月 厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会
3:「厚生労働科学研究費補助金(免疫・アレルギー疾患政策研究事業)分担研究報告書」
関節リウマチ患者の診療実態および問題点を明らかにする研究