関節リウマチ(RA)治療法
(4)リハビリテーション/運動療法
関節リウマチでは、病気が進行するにつれ 疼痛(とうつう)を含め運動機能を制限する症状が現れるようになります。
リハビリテーション療法ではこれらの症状を軽減させ、患者さんが日常生活動作(ADL; activities of daily
living)を維持できるよう、理学療法・装具/自助具・作業療法を用いたリハビリテーション・プログラムが行われます。
運動訓練
軟骨の栄養改善、骨新生の促進、筋力の増強を目的として運動を行いますが、 激しい運動は関節炎の症状を悪化させるため注意が必要です。
医師や理学療法士(PT; physical therapist)の指導の下、適度に行います。
温熱療法
温めたパック(ホットパック)を用いて症状の出ている関節を15分~20分程度温めます。家庭でも安全にでき、 また局所の温熱効果は痛みや血流の改善などに効果があります。
温泉療法も温熱療法に入ります。体力を消耗するため、高齢者の場合は特に疲労や湯あたりに注意する必要があります。
関節可動域(かどういき)訓練
入浴後や温熱療法後などに行います。痛みが強い場合には無理に曲げたり伸ばしたりせず、できる範囲で訓練します。 炎症が再燃しないように注意する必要があります。
筋力増強訓練
手指や腕の筋力訓練はゴムボールなどを用いて行います。
下肢 (かし)の場合は、 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)・中殿筋・大殿筋を鍛える訓練が覚えやすく、一般的です。
起立・歩行訓練
立つ・歩くといった基本動作の訓練を行います。病院では斜面台や平行棒、温水プールを使うなどします。
装具
関節リウマチで用いられる代表的な装具としては、サポーター、杖、頚椎カラーなどがあります。サポーターは主に手関節、膝関節などに巻いて使うことが多く、保温効果があります。杖はさまざまな種類があり、ロフストランド・クラッチなど肘にはめて使えるものもあります。
頚椎(けいつい) カラーは、症状の進行を防止するため首に巻いて用います。
作業療法
関節の変形によって低下或いは失われた機能を補うための道具、自助具(じじょぐ)を患者さん自身が作ることを作業療法 といいます。
病院では医師や作業療法士(OT; occupational
therapist)の指導の下、行われます。自助具は既製品を患者さんに合うような道具にアレンジして作り出され、ヘアブラシ・ボタンエイド・調理器具・家屋の改造などさまざまです。
関節リウマチの治療は、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の維持を目的として行われます。
治療の中で不安に感じることや気になることがあれば、医師や理学療法士、薬剤師に相談してください。
インターネットでもリウマチに関する情報発信は多く行われています。
自助具のアイディアや仕事に関することなどが載っているサイトもあります。
情報収集やコミュニケーションの場として利用してはいかがでしょうか。