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専門医インタビュー

膝の痛みは、ご自身の状態を知ることで症状の改善が期待できます 膝の専門医にご相談ください

小林 章郎 先生

奈良県

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日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会リウマチ認定医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、障がい者スポーツ医、日本人工関節学会・認定医・評議員、日本臨床バイオメカニクス学会・評議員、日本リハビリテーション学会・会員、日本臨床スポーツ医学会・会員、American Academy of Orthopedic Surgery(アメリカ整形外科学会)・会員、American Academy of Hip and Knee Surgery(アメリカ股・膝関節学会)・会員

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この記事の目次

日本人の65才以上の50%以上は、変形性膝関節症を患っていると言われるほど多くの方が膝の痛みに悩んでいます。変形性膝関節症の治療は、保存療法や手術など選択肢が増えています。白庭病院 院長の小林章郎先生に、できるだけ出血や痛みを抑え行われている人工膝関節置換術や安心して受けられる術後のリハビリについてうかがいました。

どうして変形性膝関節症になってしまうのでしょうか?

正常な膝と変形性膝関節症(進行期)

変形性膝関節症は、年齢とともに膝関節の軟骨がすり減って膝の痛みや骨の変形がおこる病気です。日本では65才以上の50%以上にあると言われ、特に女性に多く、高齢化社会を迎えた日本では一種の国民病とも言えます。膝関節軟骨の老化が原因と考えられますが、同じように暮らしていても変形性膝関節症になる方とならない方がいらっしゃるなど個人差があります。
膝関節軟骨の変化に大きく関係するのが肥満です。膝関節には歩行をしているだけでも体重の約3倍の力がかかると言われていますので、変形性膝関節症の予防や進行を遅らせるためには体重をコントロールすることが重要です。

変形性膝関節症の場合、どのような症状が現れますか?

椅子からの立ち上がりや階段昇降での痛み

最初の頃の症状としては、椅子からの立ち上がりや階段昇降での痛み、正座ができなくなったということが多いです。その後、関節の動きが悪くなったり膝に水が溜まったりすることがあります。日本人の場合は膝の内側の軟骨からすり減ってくることが多いので、進行すると脚の形がO脚に変形していき、徐々に歩行距離も短くなっていきます。また経過として良い時と悪い時を繰り返す“波がある”のが特徴ですが、年単位で考えると徐々に進行していきます。

変形性膝関節症の手術をしない治療(保存療法)について教えてください

大腿四頭筋を鍛える運動

大腿四頭筋を鍛える運動
足を上げ足首をそらせて10秒間止める。
1セット10回を1日6セット。

保存療法には運動療法や薬物療法、ヒアルロン酸の関節内注射などがあり、通常いくつかを組み合わせて治療を行います。
運動療法は膝関節周囲の筋肉を鍛えることによって痛みを和らげる方法です。しかし、痛みを我慢して30分、1時間とウォーキングを行っている方がおられますが、かえって膝に負担をかけるので控えたほうが良いです。筋力トレーニングは、膝に負担をかけずに太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることが効果的です。大腿四頭筋を意識して思いきり膝を伸ばし、同時に足首をそらせて1回あたり10秒頑張る。10回を1セットとし、3セットを午前、午後、1日計60回行うようにしてみましょう。単純な足上げ運動だけを約3ヶ月続けると8割以上の患者さんで痛みが和らぎ、筋力が増すとともに関節内部の潤滑(すべり)を良くする働きがあることが分かりました。また、万が一将来に手術を受けることになっても、その時までにできるだけ筋肉の力を保っておくということは重要です。

関節まわりの筋力を鍛えるトレーニングやストレッチ

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