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専門医インタビュー

なかなか改善しない肩の痛みは肩の専門医に相談しましょう

この記事の専門医

猪坂 直義 先生

兵庫県

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専門:肩関節、スポーツ整形
資格:日本整形外科学会専門医

この記事の目次

術後のリハビリについて教えてください

肩を動かすリハビリ

内視鏡を使った手術については、術後3~4週間はアームスリング(三角巾のような外転装具)を着用して肩を固定します。その後、2週間は装具を着けた状態で肩を動かすリハビリを行っていきます。リバース型人工肩関節置換術の場合も同じようなスケジュールです。物を持つ際の重量制限も術後4か月で500mlのペットボトル1本くらいまで、術後5~6か月で2kgまでの負荷と徐々にレベルを上げていきます。骨接合術の場合は、骨が癒合するまで安静にしておく必要があり、その後肩を動かす練習を行い退院となります。
一般的には手術をして半年ほど経った時点で、日常生活動作を自由に行っていただけます。ただし、手術をして安静にしていたことで体幹や肩甲骨の筋力が落ちていることがあります。安定した肩関節を目指すためにも筋力トレーニングを持続することが大切です。

退院後の生活で気をつけることはありますか?

手をつく動作や重い物を持つ動作は、肩に負担がかかりやすくなります

手をつく動作や重い物を持つ動作は、
肩に負担がかかりやすくなります

手術をして約半年間は、自転車やバイク、自動車の運転は控えるようにしましょう。その後、自動車の運転については可能ですが、急ブレーキなどの動作により肩に大きな負担がかかるので安全運転を心掛けることが大切です。リバース型人工肩関節置換術の場合は、半年以降も自転車とバイクの運転は控えていただきます。
またリュックの着用もできるだけ避けるよう気を付けましょう。荷物が多く入っていると、肩にその分の負荷が直接かかってしまいます。杖の使用も肩に力が入り過ぎてしまいますから、どのように対処すればいいのか術前に医師に相談されることをお勧めします。

最後に読者の方へメッセージをお願いします

肩に痛みや違和感、動かしづらさがあれば、まずはお近くの整形外科に相談されることをお勧めします。症状の原因を特定し、適切な治療法について知ることが大切だと思います。すでに治療をされていて改善がみられない場合には、腱板の損傷などが見逃されている可能性がありますから、肩の専門医を受診されるといいでしょう。
肩の治療については先述のとおり、リハビリなどをご自身で積極的に取り組んでいただくことが改善につながります。手術となった場合でも術前・術後のリハビリが重要になってきますから、医師やご家族ともよくご相談の上、治療を進めるようにしましょう。


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