[Q1]変形性関節症はどのような病気ですか?
変形性関節症は、関節を構成する骨の間にある軟骨が劣化により関節に痛みや腫れが生じ、最終的には関節の変形をきたす変形性疾患です。膝や足の付け根、肘、肩などの関節に痛み、腫れなどの症状がみられ、関節炎を引き起こします。この病気の発生や進行に関係する要因としては、加齢、遺伝、肥満のほか、スポーツ、仕事、事故などによる関節の損傷があります。
健全な状態の関節は、可動性があり、日常生活の中で受ける負荷に耐えられるような構造になっています。また、関節の骨の末端部は軟骨で覆われていて、これがクッションのような働きをしています。この関節の軟骨が長年の負荷によって徐々にすり減っていくと、動きが悪くなったり、炎症や痛みを伴うようになったりします。
膝関節の場合、毎日体重の負担を受けながら動かしているため、太腿とすねの骨の間でクッションになっている軟骨や半月板が徐々に擦り減ってきます。加齢に伴い軟骨が十分に再生されなくなると、軟骨の下の骨も擦り減って、滑らかな動きが阻害され、炎症や痛みを生じます。日本人の場合、すねの骨が内側に弯曲しているので、体重のかかり方から内側の軟骨ばかりが擦り減り、徐々にO脚になることが多いのが特徴です。
股関節の場合、主に日本では先天性股関節脱臼(生まれつき股関節がずれている)や臼蓋形成不全(骨盤の発育不全)などによる変形が見られる場合に、体重の負荷で骨頭と臼蓋がこすれあい軟骨が磨り減りやすくなるため、痛みや運動障害が起こります。