[Q2]人工関節置換術の流れについて教えてください。
まず、患者さんを手術室に搬送してから、そこで麻酔を開始します。麻酔の効果が現れたら、消毒液を用いて手術部位周辺の皮膚を入念に洗浄します。その後、手術部位を手術中に動くことがないように所定の位置に固定します。手術部位を固定した後、皮膚の切開を行います。切開を徐々に深くしていき、骨の表面が露出するまで筋肉などの組織を切り分けていきます。
次に、傷んだ骨の表面と軟骨を切除します。精密な手術器具やガイドを使用することで、骨の切り取りが正しい角度で行われているかどうかを確認しやすくなるとともに、新しい関節面(インプラント)を取り付けた後に骨同士の角度を調整することが可能となります。こうして骨の形を整えることで、インプラントが適切にフィットするようになります。切り取る骨の量は、関節炎によって傷んだ骨の量で決まります。
骨を切り取った後に、インプラントを取り付けます。インプラントは、健全な状態の関節と同じような動きをするように設計されています。インプラントの固定には骨専用の特殊なセメントを使用する場合もあります。すべてのインプラントを所定の位置に取り付けたら、最初に切り開いた軟部組織を元の位置に戻して縫い合わせます。プラスチック製のチューブを切開口に挿入しておき、手術終了後の数時間にわたって切開部に貯まる液体を排出させることもあります。その後、切開した皮膚の両端を縫い合わせてから滅菌包帯を巻きつけて、手術は終了です。