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専門医インタビュー

角谷 真 先生|目指しているのは痛くない、出血しない、回復も早い手術方法

この記事の専門医

東京都

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東京医科大学卒業。日本整形外科学会専門医、英 OXFORD 人工膝関節片側置換術マスター

この記事の目次

気を付けるのは転ばないこと

退院後にも筋肉を衰えさせない運動は大事なのですが、難しい体操はしなくてもいいと思っています。転んで、じん帯が切れてしまったということがないように、とにかく転ばないようにと何度も注意しています。痛みがなくなり、自由に動けるようになると、つい動きすぎてしまうのかもしれません。人工関節を入れた直後は転びやすいので、注意してください。

リハビリテーション室

退院直後にあまり動きすぎると、足が腫れることもありますから、無茶はしないで下さい。慌てないでゆっくり過ごして下さいとお話ししています。人工膝関節は家電製品と同じ、乱暴に扱えば早くすり減ってしまいます。
普通の生活なら何をしても大丈夫ですが、高いところから飛び降りてはいけません。1年くらいたてば、ジョギングしている人はたくさんいます。

怖いのは感染と緩み

退院して1週間後に受診、そのあとは、1か月、3か月、半年後に定期的に受診することを忘れないでください。レントゲンで人工膝関節の金属が骨に負けて沈んでしまっていないか、緩みはないか、ぐらついていないかなどをチェックします。また、患者さん自身が何か困っていないかも丁寧に聞いています。
人工膝関節置換術後は、感染と緩みが大変怖いのです。
また、思うように動けるようになったからこそ腰や足に痛みが出てきたという人も中にはいます。もともと腰が悪くて膝を痛めていた人の中には、膝が治ったら腰から足にかけて全体の痛みが出てきたという人もいます。病気はひとつではなく、いくつか重なっていますから、全身が動きやすくなるようにサポートをしていくのが医師の役目です。本当に痛いのか、どこが痛いのか、じっくり話を聞いていきたいと思います。人工膝関節を入れたらそれですべて終わりというわけではありません。

患者さんへのメッセージをお願いします

人工膝関節置換術を怖がらないでください。膝の痛みは必ず取れます。手術の痛みもないし、抜糸もなくて傷口もキレイな手術です。もし私がこの手術を受けるなら、自分がしてほしいことを、今患者さんに提供していきたいと思っていろいろな工夫をしています。実は、私自身も O 脚ですから、いずれ私もこのやり方で手術をしてもらい、まっすぐで歩きやすい脚になろうと、ひそかに思っています。
人工膝関節置換術を受けるかどうかの基準は、年齢ではありません。高齢だからあきらめようとか、まだ若いからもうしばらく待ったほうがいいのではないか、ということは全くないのです。本人に歩きたい、歩きたいという意欲があるかどうかが一番の目安です。
長年続けてきた趣味をあきらめたくないなどという目的がある人が、この手術を受けて後悔する人はいません。人工膝関節は万能ではないけれど、趣味や生きがいをあきらめないで満足できる人生を送ってください。


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