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専門医インタビュー

最近検査を受けていない方、不具合を早く見つけて素早く対応 再置換術は怖くない

この記事の専門医

神奈川県

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昭和大学医学部卒業後、同大藤が丘病院整形外科入局
日本整形外科学会認定医、日本人工関節学会評議員

この記事の目次

再置換後のリハビリテーションについて教えてください。

リバビリの様子

以前は、再置換術後3か月くらいはベッドで寝ていなくてはなりませんでした。しかし今は、大腿骨が折れている場合以外は、再置換でも早く起き出してリハビリを始めます。再置換術を受けて、もう一度自分の足で自由に歩きたい、自分のことは自分でできるようにしたいという意思がしっかりしていれば、リハビリもうまくいくでしょう。何といっても本人の気持ちが大事です。ほとんどの人は、杖なしで歩けるようになりますし、日常生活に支障はありません。
リハビリの内容は、普通の置換術の時と同じ、退院後に日常生活ができるように訓練をします。術前、車イスの方や高齢者の場合、急性期の病院で1か月、回復期リハビリテーション病院に移ってから3か月くらい入院してリハビリをすることもあります。

人工股関節を長持ちさせるために、気をつけることは何ですか?

出来るだけ動いて筋力を落とさないようにしましょう

人工股関節の擦り減りを防ぐために、以前は動きを制限することもありました。しかし、今の人工股関節はすり減りにくくなっております。高齢になると、普通の人でも筋力が落ちて歩きづらくなります。膝や腰も悪くなるでしょうから、まずは、出来るだけ動いて筋力を落とさないようにすることが大切です。人工股関節置換術を受けた人でも筋力を保つように日頃から心がけること、これが基本です。
そして、定期的に受診して、レントゲンを撮って確認をしてもらうこと。もちろん、もし何か違和感があったら、すぐにご相談してください。

再置換術を受けるにあたって施設選択のポイントはありますか?

本来なら、最初に人工股関節置換術を施してくれた医師に相談をし、紹介状を書いてもらうのが良いのですが、難しいこともあるでしょう。再置換は、人工股関節置換術の手術実績が多い施設、できれば再置換術の経験も豊富で再置換に慣れた施設で相談することを勧めます。
人工股関節置換術は、いろいろな手術器械を使って行います。手技や器械は日々進歩していますから、一つのやり方に凝り固まるのではなく、新しい種類の器械や手術の方法など最新の情報を取り入れていく必要があります。自らの引き出しをたくさんもって、親身になって患者さんに対応できる医師と出会ってほしいと思います。
当センターは、医師同士においても、手術手技の向上や共有の場として、再置換手術の見学の機会を提供させて頂くことにしました。再置換術の難症例を経験することで互いのノウハウを共有し、技術を高め合える場としたいと思います。

人工股関節置換術を検討されている方へのメッセージをお願いします。

私たちは、「自分の足で思うように歩きたい、寝たきりにならにようにできるだけ動きたい」と思っている方には、できる限りのお手伝いをしたいと考えています。股関節が痛むなどの症状が出てからではなく、ひどくなる前に治療をしてください。元気で長生きをする方が多いとはいえ、90歳になってから再置換術をするのは大変ですから、患者さんの生活環境なども併せて丁寧に総合的に考えていきます。
症状が出た時に素早く治してあげるのが理想ですが、症状が出るのを待っていたら遅すぎることもあるのです。レントゲンを治しているわけではなく、症状を治しているのです。例えば、私たちは崖から落ちそうな状態の人を見ていることが多いのですが、落ちてしまってからではどうにもしようがありません。落ちてしまう前に、再置換術で何とかしてあげたい、あとどれくらいで患者さんの股関節が悪くなってしまうのかを正しく判断してあげたいと思っています。
とにかく半年ごと、1年ごとと定期的に検査を受けることが第一です。もし小さな変化に気づいたり、違和感を覚えたりしたら、信頼できる医師と納得がいくまで相談をして下さい。絶対に諦めないで下さい。


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