専門医インタビュー
福島県
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初期治療を施したX線
聞き慣れないかもしれませんが、「外傷再建センター」というのは、事故や大ケガなどの外傷を受けた方を治療し再建(機能回復)するまでをトータルで行う専門の診療科です。外傷再建センターは、日本国内にはまだ数えるほどしかなく、今ある「外傷再建センター」は、ほとんどが急性期の救命治療に特化したものです。事故などで大ケガになっている場合だと、命を救うことだけで精一杯ですので、初期の段階から整形外科領域の治療が十分に行えないことがあります。そのため、重い外傷だったのだから社会復帰できなくても仕方がない、と諦めている方が少なくありません。しかし外傷再建センターでは、重度外傷を負った方を救命するだけでなく、初期から整形外科領域の治療介入が出来ないかを考え実践することで、失った機能を取り戻す、救い出すことを追求する挑戦的な医療です。
人工股関節を用いた再建術後のX線
一つは急性期の6時間以内に対処して、これまでは腕や脚が切断となっていた方の救肢をする。二つめは、損傷したり欠損した組織を他の組織を移植して代替する。三つめとして、慢性期に失った機能に対して人工関節などを用いて機能を回復させる。そのように急性期から慢性期までの治療をカバーします。例えば、ちぎれてしまった腕をつなぎ合わせるために、静脈移植をして血流を再開しながら、なくなってしまった筋肉を血管付きで、可能であれば神経と共に他の部位から移植するなど受傷時の治療から再建までをトータルで行うことで、再び腕を動かせる可能性がでてきます。
股関節の痛みに悩んでいて、それが今の自分の生活やこれからの人生に大きな影響がありそうだと感じるなら、お気軽に整形外科を受診してみてください。「相談する」というだけでも十分力になれることはあると思います。
どの治療法を選択するのかは、患者さんがどういう生き方をしたいのかで変わってくると思っています。ご自身の生活環境を考え、例えば子育てに忙しいので、若くても人工関節の手術を受けた方がいらっしゃいますし、一方で、あまり出歩かないうえ怖いので手術したくないというなら、手術しないことも良い選択肢だと思います。
我々の治療の選択肢には限りがありますので、これからどのように生きていきたいのかを考え、それに合ったご自身が納得できる治療法を考えていくことが大切だと思います。
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