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専門医インタビュー

外反母趾の痛み・変形は早期治療が大切です。放置しないで足の外科医に相談を

この記事の専門医

仁木 久照 先生

神奈川県

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専門分野:足の外科、小児整形外科、整形外科一般
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、日本整形外科学会研修指導医、身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)、義肢装具適合判定指定医、難病指定医、臨床研修指導医、小児慢性特定疾病指定医、日本整形外科学会小児運動器疾患指導管理医師

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この記事の目次

手術の合併症や、知っておくべきリスクはありますか?

合併症としては、他の整形外科の手術と同様に、感染症のリスクが挙げられます。また、同じ手術であっても患者さんの骨の質によって骨癒合の進み方が異なり、骨粗しょう症などで骨がもろい方は回復により長い時間がかかります。
骨が癒合しない偽関節(ぎかんせつ)になる可能性もあります。術後、外反母趾が再発する患者さんが一定割合でいることも踏まえておくべき点です。術前のような強い変形や痛みが戻ることは少ないですが、再びバニオンができたという例は一部報告されています。一方で、外反母趾の手術の矯正力が強すぎて、親指の内反が進んでしまうこともまれにあります。外反母趾の手術は近年進化してきていますが、以上のように全くリスクがないわけではありません。主治医としっかり話し合い、手術のメリット・デメリットをよく理解した上で決断してほしいと思います。

入院中のリハビリと退院後の生活について教えてください

日常生活にスムーズに戻っていけるよう、理学療法士の指導のもと、太ももなど下肢の筋力トレーニングを進めます。手術した指は入院中に積極的に動かすことはなく、きちんと体重がかけられるようになるまで回復を待ちます。
患者さんの術前の状態によるものの、親指のみの手術では2週間、他の指も含めた手術では3週間程度が入院の目安です。術後しばらくは普通の靴を履けないので、足先に負担をかけない専用の靴で入院生活を送り、退院時にもそれを履いて帰ることになります。
入院中は安静にして過ごすものの、ご自宅に帰ると急に活動量が増えるため、当分は足のむくみが気になる方が多いようです。つらいときは無理をせず、足を高くして横になって休みましょう。退院後は、指の動きを良くするよう、可動域訓練をしっかりと行なってください。手の指で持って反らしたり曲げたりするストレッチを行います。
ご自分でやりにくければ、家族にやってもらっても良いでしょう。「手術した指を動かすのは怖い」と感じるかもしれませんが、手を使って曲げ伸ばしするくらいは問題がありません。術後、多くの方は2カ月程度すればスニーカーなど普通の靴が履けるようになり、支障なく日常生活を送れるようになります。スポーツ活動の再開は術後4、5カ月程度が目安です。

外反母趾に悩む患者さんにメッセージをお願いします

痛みや変形に悩んでいるのであれば、やはり一度専門医に診てもらうことが大切です。日本足の外科学会のホームページを開くと、自宅に近い専門医を見つけることができますので参考にしてください。または、まずはお近くの整形外科クリニックを訪ね、専門医を紹介してもらうのでも良いと思います。すでに一般の整形外科クリニックにかかっており、治療を進めているものの経過が良くないというのであれば、「なかなか良くならないので、一度専門の病院を訪ねたい」という旨をきちんと伝え、紹介状を書いてもらうことをお勧めします。


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