専門医インタビュー
大阪府
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一般的に手術翌日には離床し、理学療法士のサポートのもとで膝を曲げ伸ばしする可動域訓練を始めます。可能な方はリハビリ室に移動して、平行棒や歩行器を使った歩行訓練を開始します。歩行能力の再獲得に加え、床からの立ち上がりや入浴動作、階段昇降といった日常生活動作の練習も合わせて行います。
単顆置換術は退院時にほぼ膝の腫れが引いていますが、全置換術では傷口や置換部分が大きいので炎症も強く、膝の腫れが引くのに1~2カ月はかかります。その間は、家事や仕事は様子を見ながら行うようにしましょう。
大きな制限は設けていません。事前に相談はしていただきたいですが、よほど激しい動きでなければ大抵のスポーツは大丈夫です。しかし実は、手術をして変形も改善したし、痛みもないけど、出歩くのは不安なので家にいるという方が意外に多いのです。近年は手術手技や人工関節が進歩しており、再置換率もいぜんより大幅に低くなっています。また、術後『歩けるかしら』など心配な事があっても、患者さんにしっかり寄り添い不安を解消していきますので、あまり心配されなくても良いと思います。慎重になりすぎず、しっかり歩き、1時間くらいは連続して歩ける身体を目指しましょう。そのためにも、退院後のリハビリは大切です。可能であれば、週に1~2回、3~6カ月間は通院リハビリを。通院が難しければ自宅でのリハビリでも十分に効果はあります。継続して行うように心がけてください。
長年膝の痛みに悩んでいると、「歩く」という行為が過去のものになって、あきらめてしまう方も少なくありません。動かなければ、膝があまり痛くないので、歩くことをあきらめているのかもしれません。しかし、動かず家に引きこもりがちになると、糖尿病や高血圧を併発する場合や、うつ状態や認知症を引き起こすこともあるといわれています。また、あまりに症状が進行してからでは、受けられる治療も限られてきます。膝に違和感や痛みがあれば、まずは膝の専門医に相談し、関節がどのような状態なのかを正確に診断してもらいましょう。適切な時期に診断を受ければ、手術以外にも治療の選択肢はたくさんあります。
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