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専門医インタビュー

40代~60代に多い股関節の痛み 一人で悩まず専門医に相談を

狩谷 哲 先生

東京都

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1994年 金沢医科大学医学部医学科卒業、昭和大学医学部整形外科学教室入局。2004年 The Anderson Orthopaedic Clinic 留学。2010年 石部基実クリニック勤務、その後、副院長に就任。2016年より現職。
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本旅行医学会認定医、義肢装具等適合判定医師(厚生労働省)、身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)、ボトックス注射施注資格医師

この記事の目次

 
足の爪を切る時、ズボン・靴下を履く時など生活動作を行う中で股関節が痛むことはありませんか?中年の方に多くみられる変形性股関節症。その原因と治療法について、東京ヒップジョイントクリニック院長 狩谷哲先生にお話をうかがいました。
 

股関節が痛む原因は何ですか?

寛骨臼形成不全

寛骨臼形成不全

代表的な原因として変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)があげられます。股関節は骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう)と太もも側の骨である大腿骨頭(だいたいこっとう)からできていて、それらの間には軟骨(なんこつ)という組織があります。変形性股関節症は、股関節に負担がかかることで軟骨がすり減り、軟骨や骨の変形をきたす疾患です。変形が進むことで炎症による痛みを生じたり、動かせる範囲(可動域)に制限が出てしまいます。
変形性股関節症を発症される方の大半は、寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)という疾患が原因です。これは、寛骨臼の形が生まれつき、もしくは発育不良で不完全な状態をいいます。本来であれば、寛骨臼が大腿骨頭を十分に覆うことで股関節が安定しますが、寛骨臼が浅いことで、体重がかかった時に関節面へ集中的に力が加わり、軟骨や骨の変形が進みます。

変形性股関節症は何歳くらいから症状としてあらわれるのでしょうか?

体重コントロール

40代~60代が特に多いです。若いうちは軟骨が健康な状態ですので、寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)をお持ちの方であっても症状としてはあまりあらわれません。年齢を重ねるとともに少しずつ軟骨の変性が始まり、ちょうどそのタイミングで、例えば出産をして体重が増加した方、ヒールを履いてお仕事をするようになった方、重労働をされる方など、より股関節に負担がかかる環境になったことで症状があらわれ悪化するケースもあります。
40代~60代といえば男女ともに、お仕事や子育てといった働き盛りの世代。そんな大切な時期に変形性股関節症が症状としてあらわれると、生活の質が大きく低下してしまいます。

変形性股関節症になるとどのような症状があらわれますか?受診のタイミングはいつですか?

動作で股関節に痛み

生活動作でいうと、足の爪切り、靴下の着脱、ズボンを履くなどの動作で股関節に痛みを生じます。女性の方ですと、お買い物に出かけても痛くて長時間歩けない、旅行に行っても友人と同じスピードで歩けないといった声も多いです。男性ですと、ゴルフのスコアが伸びなくなった、ラウンドができなくなったという方もいらっしゃいます。
昨年できていたことが今年できなくなったなど生活・活動レベルに変化がある場合は、病態が進行している可能性があります。ご自身の状態を知るという意味でも、一度整形外科に受診されるとよいでしょう。問診やレントゲン検査の結果などから、原因の特定と治療法の検討を行います。


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