専門医インタビュー
千葉県
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術後の疼痛(とうつう)管理としては、持続硬膜外ブロックや持続神経ブロックのほか、局所のカクテル注射や点滴、内服治療などの手法を合わせたマルチモダルペインコントロールなどが行われています。
それぞれの病態や手術法で異なるとは思われますが、例えばMIS前方アプローチで手術した、もともと歩けている方は、手術翌日から平行棒歩行訓練、3~4日で歩行器や杖を使い、徐々に杖なし歩行を行います。一方、手術のやり方が異なり、部分荷重を行う方は、平行棒や松葉杖を2週間程度行ってから一本杖を行うようになります。リハビリが早いことが重要なことではなく、仕上がった状態が良く、長持ちする股関節を目指すことになります。
現在使われている人工股関節の多くは以前よりも長持ちする、良い成績を残していることが、イギリスやオーストラリアの国が主導となり行われる臨床研究(ナショナルレジストリー)で公表されています。身体の小さな日本人ではより長持ちすることが期待されます。しかし、治療する医師の考え方にもよりますが、衝撃を伴う動作の連続は奨励していません。ジョギングは構いませんが、ハードなランニングやサッカー、ラグビーなどは避けていただきたいです。動作やスポーツに関しては、正座やあぐらは構いません。スポーツは、テニスや卓球、スキーやジャズダンスやサーフィンをやっている方もいます。
医療技術や器械の発展は目を見張るものがあり、以前より、よい成績が得られています。手術するかどうかはご本人のお考えで決めるべきことですが、手術がどんなもので、どんな結果が予測されるのかを専門医にご相談されてイメージしていただいたほうが良いと考えます。我々股関節外科医が提供できる医療の質は向上しておりますので、ご本人のお身体の様子と治療の考え方を十分ご理解いただいて、不安のない生活を送っていただくのが肝要かと思います。
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