専門医インタビュー
手術前に時間があれば、手術後に実施するリハビリと同様の内容を手術前に実施することもあります。事前にリハビリを開始することで、手術後に実施する内容をあらかじめ分かるメリットがあるので、手術後のリハビリがスムーズに行えます。内容は関節可動域を広げたり、太ももの筋力を鍛えたりするトレーニングを行います。
「家で支障なく生活して通院できる」ことが退院の一つの目安になり、大体、2週間~4週間で退院するケースが多いのです。その方の状態によって、もっとリハビリをしたいという希望があればリハビリ専門の施設に移るなどして、十分にリハビリを行うこともできます。5~6カ月はリハビリ通院することもありますが、病院でのリハビリだけでなく、日常生活でしっかり動くことがリハビリになるので、無理のない範囲で活動性を保つようにしてください。
退院後、どんなに調子が良くても、人工関節に緩みがないか、痛みが出ていないかという定期的な受診は忘れないようにしましょう。
人工関節の金属部分周辺で衝撃を受けると骨折することがあるので、転倒には十分気を付けていただきたいです。そのほかに、正座やあぐらなど膝に力がかかる動きや、格闘技など人とぶつかるコンタクトスポーツは避けてください。
散歩や水泳、ゴルフなど膝に負担のかからないスポーツは推奨されていますので、実施してみたいことがあれば主治医に相談し取り組んでいってもらいたいと思います。
変形性膝関節症は、良くなったり悪くなったりを繰り返して少しずつ変形が進行していきます。永年、膝の痛みを我慢してから受診される方が多いですが、早めに受診していただければ、治療の選択肢が広がり、保存療法で痛みをコントロールしながら長く過ごせる可能性があります。
変形性膝関節症の治療法は進歩しています。膝の痛みのせいで、「以前の自分と比べて、日常の動作に違和感がある」と思ったら、専門医を受診し、痛みの原因にあった適切な治療を受けていただきたいです。
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