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専門医インタビュー

膝の痛み。早期であるほど治療の選択肢は広がります。痛みを一人で抱え込まずに、早めに専門医に相談を

この記事の専門医

竹島 憲一郎 先生

千葉県

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慶應義塾大学卒、医学博士/前国際医療福祉大学市川病院整形外科副医長、元永寿総合病院整形外科副部長、元国立病院機構埼玉病院整形外科、元慶應義塾大学整形外科下肢班(チーフレジデント)/日本専門医機構認定整形外科専門医/足の外科、人工関節手術(膝関節、股関節)、スポーツ傷害(障害、外傷)

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この記事の目次

変形性膝関節症の治療について教えてください

肥満の人は減量を

まずは、保存療法から始まるのが一般的で、鎮痛薬の服用や貼り薬を使い、合わせて筋力を鍛えるための運動療法を行います。さらに、肥満の人は減量し、正座や階段の昇り降りも極力避けるというふうに生活習慣を見直します。できれば杖を使ったほうが悪い膝への負担が多少減らせるので、そのような工夫もしたほうがいいでしょう。特に、減量は痛みの改善に効果が期待できます。何しろ1kg体重を落とせば、膝への負担が4、5kg減らせるわけです。膝が痛いから痩せられないという人も多いのですが、少しでも膝への負担を減らせるように頑張っていただきたいですね。

膝が痛い時、お勧めの筋力トレーニングはありますか?

膝への荷重のバランスが良くなります。

膝への荷重のバランスが良くなります。

膝が痛いときには、膝周りの筋肉の中でも、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の特に内側の内側広筋(ないそくこうきん)を鍛えるとよいでしょう。やり方は、イスに腰掛けて足を伸ばすと、膝の内側にコブのような盛り上がりができます。息を止めずに、そのコブが硬くなるように力を入れて、3秒くらいキープしてください。それを続けることで内側広筋の強化になります。もう一つは、床にタオルを置いて、足の指でたぐり寄せるタオルギャザーという運動です。こうすると、足の裏の筋肉が鍛えられるので、立ったときに膝への荷重のバランスが良くなります。
どうしても足がグラグラすると、それだけ膝の軟骨も摩耗しやすくなり、痛みも出やすくなります。このような筋力強化につながる運動を毎日続けていくといいでしょう。ただし、運動をした次の日に痛みが強いようなら動かし過ぎです。翌日の痛みの具合を目安に筋トレを続けていくといいと思います。

膝関節全体が悪くなる前なら、他の手術方法もあるのですか?

高位脛骨骨切り術

高位脛骨骨切り術

O脚の人で、膝関節の内側だけ傷んでおり、靭帯などが機能している場合は、高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)といって骨の一部を切ってO脚を矯正し、体重が膝関節に均等にかかるように整える手術が行える場合があります。骨壊死の場合も、内側だけ発症している場合は、骨切り術が適応することもあります。
一方、人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)に、膝関節の片側だけ人工物に置き換える単顆置換術(たんかちかんじゅつ)という方法があります。この場合も、受けられる人の条件は骨切り術とほぼ同じです。ただし骨切り術や人工関節の手術では感染や血栓症などの合併症が一定の割合で起こります。膝関節の状態や、患者さん自身が何を望むのかによって選択できる手術が違ってくるので、あまり状態が悪くならないうちに主治医に相談することお勧めします。


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