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専門医インタビュー

高齢化とともに増える変形性膝関節症 一人で悩まず専門医に相談を

この記事の専門医

野村 幸嗣 先生

大阪府

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2001年 大阪大学医学部卒業、2008年 大阪大学大学院医学研究科(臓器制御医学)卒業
日本専門医機構認定整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リウマチ学会指導医、日本整形外科リウマチ認定医、医学博士

この記事の目次

再置換手術が必要になるのはどういう場合ですか?

以前は人工膝関節の耐用年数は10年といわれていましたが、今では20年以上にわたって特に問題もなく過ごしている方が少なくありません。再置換手術(さいちかんしゅじゅつ)が必要になるにしても20年以上経過してから、あるいは外傷や感染などのトラブルが生じたケースがほとんどです。若年で手術すると、比較的激しく使うことも多く、早くゆるみが出やすいので、一概に耐用年数を語ることはできません。
再置換手術の手順や入院期間などは1回目の手術と同じです。ただし、骨から古い人工関節を抜いて新しいものを入れ直す際に、周囲の骨をさらに削ることになるので、人工関節は1回目よりも大きくなり、1回目の手術後よりも膝が曲がりにくくなる傾向があります。

人工膝関節置換術、リハビリは大事なのですか?

術後のリハビリテーション

術後のリハビリテーションは、痛みの軽減や運動機能の回復に役立つのはもちろん、術後の合併症を防ぐためにも重要です。手術翌日にはベッドを離れ、2~3週間の入院中に階段が上り下りできるぐらいまでの回復をめざします。退院後の日常生活も含め、術後3か月程度はしっかりリハビリテーションを行うことが大切です。多少の痛みはともないますが、それを乗り越えればよりよい機能回復が得られ、膝痛のほとんどない生活が送れる可能性が高まります。
手術後は運動やスポーツがまったくできないわけではありませんが、人工関節の種類によって制限もあるので、詳しくは主治医とよく相談してください。

膝関節の痛みに悩んでいる方へ、先生からメッセージをお願いします。

野村 幸嗣 先生

現在、日本は高齢者の割合が21%を超える超高齢社会です。東京大学の吉村典子氏らが2009年に報告している通り、変形性膝関節症の患者数はいまや2,500万人以上とみられます。また、「要支援」の状態になる原因疾患の第一位も関節疾患です。膝痛に悩むのはあなただけではないのです。
治療は、自分自身の病気と、その状態を知ることから始まります。膝痛の原因を診断してもらい、正しい保存的治療を始めましょう。それでも改善が見込めない場合は、自己判断する前に、手術が必要かどうか、どんな手術を選ぶべきかをぜひ専門医に相談に来て下さい。ひとりで悩まないことが大切です。


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