専門医インタビュー
神奈川県
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「術後は痛くて大変なのでは」と身構える方がいますが、昨今では痛みを抑える優れた方法がさまざま開発されています。さまざまな薬物を混合したカクテル注射を、炎症が起きやすい部位に手術中に注射したり、点滴や飲み薬とも組み合わせていきます。
鎮痛薬などを効果的に使用し、痛くない、気持ち悪くないという状態をつくることで、術後2~3時間後には一度は歩行器を使って立ってもらい、徐々にリハビリを進めます。
股関節・膝いずれの場合も、手術当日から歩行器による歩行を始め、その日の夜には、看護師の見守りのもと患者さん自身でトイレに行けるようにします。
術後数日間で歩行器を使った歩行に十分慣れたら、次は杖での歩行練習に入り、その後は階段の昇り降りを練習します。階段昇降が安全にできるようになれば、大体の日常生活をカバーできます。そのほか、各患者さんによって自宅の状況が違うので、それぞれの方に必要なリハビリを行い、退院後の暮らしに備えます。入院期間は、股関節で1~2週間、膝で2週間程度が目安です。
変形性関節症は長い付き合いになる病気で、膝では10年、股関節では30年も痛みに悩みながら過ごす方もいます。治療はなるべく早いうちに始めるほうが、選択肢が広がります。最近では、痛み止めを長期間服用することによる内臓への副作用が懸念されていますが、初期の段階から運動療法などを進めれば、できるだけ痛み止めに頼らず上手に付き合っていくことができます。膝や股関節の痛みが続くようなら、一度専門医に相談し、軟骨や骨の状態のチェックを受けることをおすすめします。股関節痛だと思っていたら悪いのは膝だった、あるいは腰だったなど、痛みがある部位と実際に問題がある部位が異なっていることもしばしばあります。膝、股関節、腰など広く全体を診てもらえる医療機関で、まずはしっかりと原因を見極めていくことが大切です。
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