専門医インタビュー
神奈川県
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骨壊死
中高年に多いのは変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)で、加齢にともない膝関節の軟骨がすり減ってくる病気です。変形性膝関節症と診断された方の約5割が、膝の内側の下の方にある鵞足(がそく)の周囲に炎症が起きる鵞足炎(がそくえん)を合併しているといわれ、傷みの原因になっていることがあります。鵞足炎に特徴的なのが、膝を内側・外側に向けるという動きで痛みが出るということです。
そのほか、大腿骨やすねの骨(脛骨(けいこつ))の一部が壊死してしまう骨壊死(大腿骨内顆骨壊死(だいたいこつないかこつえし)、脛骨内顆骨壊死(けいこつないかこつえし))や、半月板損傷、膝周りの筋力低下により痛みが生じることもあり、膝が痛くなる原因はさまざまです。
ヒアルロン酸の関節内注射
筋トレやストレッチ、痛み止めの服用やヒアルロン酸の関節内注射がありこのような保存療法で痛みが軽減される方が多くいらっしゃいます。
ヒアルロン酸注射は、関節内にヒアルロン酸を補充することで、関節にかかる衝撃を吸収し、痛みを軽減します。治療後すぐに痛みが和らぐことが多いですが、そうでない場合は他に傷みの原因があることを疑います。ただし、変形がかなり進行している状態では、ヒアルロン酸注射の数日後には、痛みが出て普段の生活の中でもできないことが増えてくることがあります。そのような状態だと、ヒアルロン酸注射での治療は限界に来ていると考えられ、次のステップとして人工膝関節(じんこうひざかんせつ)の手術に目を向けても良いと思います。そのほかに、足底板(そくていばん)と呼ばれる装具を使い、傷んだ関節の片側(日本人はO脚が多く、主に内側)にかかっていた体重を反対側に逃がし、痛みを軽減することもあります。
全置換術と部分置換術
代表的な手術には、骨切り術や人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)があります。膝の人工関節には、骨の表面全てを人工物に置き換える全置換術(ぜんちかんじゅつ)と悪くなっている部分(主に内側)だけを置き換える部分置換術(ぶぶんちかんじゅつ)があります。どちらの手術方法を選択するかは、その方の変形度合いや膝にある靭帯の状態、年齢などを加味し決定していくことになります。
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