専門医インタビュー
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人工膝関節の一例
勝田 患者さんには「10年~15年で再手術になる可能性もある」と伝えていますが、現在の人工関節は昔に比べて格段に進化していることを考えると、今後は20年~30年の耐用年数が期待できるのではないかという印象を持っています。
手術を受けるのは70代の人が多いですが、50代でも手術を行うことが可能です。再手術の可能性は高まりますが、50代という年代から痛みをこらえながら、活動性の低い状態で長い年月を過ごすのは人生の損失ではないかと考えられます。活動を制限せずに、仕事や趣味、家庭生活を送りたいと考えるのであれば、メリット・デメリットを十分に理解・納得し早い年代での手術を検討することも、有意義な選択の一つではないでしょうか。
勝田 実際にどのような手術を行ったかを把握できていないと、その方に適切なリハビリが実施できないこともあるので、基本的には手術を受けた施設でリハビリを受けることをお勧めします。そのためには、手術とリハビリの両方が受けられる施設を選ぶことも、重要な選択肢の一つとなるでしょう。
佐竹 正座や飛んだり跳ねたりといった動き以外は、特に制限はありません。5時間~6時間かけて走る市民ランナーレベルであれば、マラソンも大丈夫です。術前は100メートルも走れなかったのに、今では月1でフルマラソンを走っている人もいますよ。また、近くの山に毎日登っている人や、スイスに旅行してハイキングを楽しんできた人などもいます。ただし、どんなに調子が良くても定期検診は必ず受け、人工膝関節に異常がないかをチェックしてもらいましょう。それが人工膝関節と上手につき合っていくための大切なポイントです。
勝田 変形性膝関節症は、人間が歳を重ねていく過程で自然に起こる現象ですから、悲観する必要はまったくありません。白髪が生えてきたり、顔のシワが増えるのと同じことです。ただし、生活に支障をきたすほどの痛みや変形がある場合は、決して我慢をせず、何ができなくて困っているのか、何ができるようになりたいのかを関節の専門医に伝え、一緒に解決できる方法を見つけていきましょう。
佐竹 痛みの状態や治療方法などを他の人と比べるのではなく、自分が今後どうしていきたいかをしっかりと先生に伝えるようにしてください。もしかすると将来、手術を考える場合もあるので、手術を行っている先生に相談したほうが良いでしょう。痛みに対して漠然とした不安があれば、まずは整形外科の専門医に相談してください。
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