膝の痛み　専門医と一緒に解決策を考えませんか?

人工膝関節置換術と手術を受けるタイミング

人工膝関節全置換術後の
レントゲン

人工膝関節置換術は、膝関節のすり減った軟骨や骨を取り除いて、代わりに金属やポリエチレンでできた人工関節に置き換える手術方法です。人工膝関節置換術には、膝関節の表面全体を置き換える全置換術と、内側の悪い場合のみ人工関節に置き換える部分置換術があります。
手術を受けられる膝の障害や変形の程度、曲げ伸ばしがどの程度制限されているか、O脚の程度や年齢・手術を受けられる前の活動量などが考慮されると思います。
そのため、その方が手術後どのような生活を望むのかということをしっかり把握し、その方が持っている機能をできる限り保てる人工関節を選択することが非常に大切になります。
人工関節そのものの性能や手術方法の向上により、人工関節の耐用年数は以前よりも大幅に延びています。が、年齢の若い方には骨切り術などの人工関節以外の手術をお勧めしています。それはこれからの「再生医療」を考慮してのことです。人工関節に置き換えてしまうと、今後、再生医療など新しい治療の恩恵が受けられない可能性が考えられます。医師とよく相談してから手術を受けるかどうかを決めたほうが良いと思います。

手術前にはどのような検査や準備を行うのですか?

手術前にレントゲンやMRIを撮って、軟骨や靭帯などの状態を詳細に確認します。下肢全体のレントゲンでO脚にどの程度の矯正が必要かを計測します。その画像情報をもとに、その方の膝の状態に合わせた人工関節を選択し、術前に手術を何度もシミュレーションします。
高齢な方では術前に全身検査、特に心臓や呼吸器の機能検査を受け手術を受けるにあたってのリスクがないか確認します。また骨粗しょう症がある場合、そうでない方に比べ、人工関節のゆるみや骨折のリスクも高まるので、手術前には必ず骨粗しょう症の検査を行い、必要な方には骨粗しょう症の治療も行います。

ナビゲーションを使うメリットにはどのようなものがありますか?

簡易型のナビゲーション

簡易型のナビゲーションを使用することで、人工関節がより正確な位置に設置されやすくなります。それによって患者さんの歩行が安定し、人工関節の長期間の維持にもつながります。
また、ナビゲーションを使用する手術方法では、手術自体の侵襲も減るので術後の出血量を減らすことができます。手術にともなうリスクや手術後の腫れや痛みの軽減にも役立ちます。