メニュー

専門医インタビュー

膝の痛みの原因と治療法 〜日常生活を前向きに〜

この記事の専門医

山形県

プロフィールを見る

山形大学医学部卒業。横浜市立大学付属病院、鶴見総合病院、横浜市立港湾病院などを経て、独・ベルリンに留学、人工関節手術を研修。帰国して湘南鎌倉総合病院の整形外科医長に就任し、2004年から現職。日本体育協会公認スポーツドクター、モンテディオ山形チーフドクターも務める。

この記事の目次

術後、傷口は痛みますか。また、退院後の患者さんの様子はいかがですか?

術前ですでに痛みを感じられているので、術後の痛みは思ったほどでなかったという方もいます。また、麻酔を手術のときに微量に流し続けることで、術後当日の激しい痛みを抑えるということも行っています。脳はいったん痛みを覚えてしまうと、その痛みが記憶されて、なかなか離れなくなってしまいます。痛術中や直後の痛みを抑えておくとで、スムーズにリハビリに進むことができます。
退院後は、とにかく痛みがぐっと楽になるようです。痛みが無くなれば、制限がなくなり活動しやすくなるので、生活の質が改善されます。心のゆとりもできます。ひとりで歩けるようになれば要介護から脱せることができ、ご家族など周囲の負担も軽減されます。手術が痛い・怖いという患者さんも多いですが、やってみると思ったより痛みは軽く、「もっと早くやっておけばよかった」と言われる方も多くいらっしゃいます。

リハビリや術後の生活で、気を付けるべきことについて教えてください。

リハビリ室

膝を治療しても、筋肉がなければ歩けません。筋肉までは治せないので、リハビリで作っていく必要があります。リハビリ期間としては、術後翌日から動いてもらい2~3週間ほどです。両足の場合はプラス1週間くらいかかります。また、リハビリは術前から始まります。手術の前日にリハビリスタッフと顔合わせして、術後は松葉杖を使うことになるなど、状況を想定してリハビリ内容の説明をします。
退院後は、体重のコントロールと筋肉を落とさないようにすることが重要です。特に、歩いてもらうことが筋力保持につながるので、よく歩くことが大切です。痛みがとれたなら、制限なく活動してもらったほうが良いでしょう。趣味の踊りや水泳など、軽いスポーツなど、どんどんやった方がいいと思います。ただし、人工関節の部品がゆるんだり、すり減ったりすること可能性もあるため、ジャンプしたり走ったりするような動作は控えるように説明しています。

現在、膝関節の痛みに悩んでいる方へ、先生から励ましのメッセージをお願いします。

このまま何もしないで5年、10年と痛みと付き合うのではなく、人生を前向きに考えて、「頑張ろう」という気持ちがあれば、ぜひお近くの整形外科に来て下さい。手術に迷っている方はとても多くいらっしゃいます。ひとりで悩んでいないで、まずは病院に来て相談してください。手術も含めて、自分に合った治療法を的確に探すことが重要です。もし今の病院での治療がうまくいかず悩んでいるようなら、思い切って別の病院に相談してみることも検討してください。
仕事や介護など生活と治療との問題もあります。農家の方で繁忙期のために手術を受けられなかったりすることもありますので、その時の痛みとどう折り合いをつけていくか、正しいアプローチを専門の医師と話し合うことが大切です。人工膝関節置換術は、膝を正常な膝にするのではなくて、膝の痛みを取り除く手術です。なお、人工関節の場合は、年1回ぐらいの診察(人工関節の定期検診)が必要なので、術後も患者さんと一生の付き合いになります。だから医師と患者さんの相性とかフィーリングも重要と考えます。


この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop