専門医インタビュー
東京都
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単顆置換術(左)と全置換術(右)
中高年になると、普通の生活をしていても、じん帯や半月板が傷み軟骨がすり減ってくることが多くなります。しかし、傷んでいるのが膝の一部分だけで、しかもじん帯などはまだちゃんとしている、このくらいの初期の段階なら、傷んだ内側の部分だけを人工のものに置き換える単顆型人工膝関節置換術と言う方法があります。自分の組織がより多く温存できるので、手術後はより自然な動きができるのが特徴です。
全人工膝関節置換術の
レントゲン
手術の方法だけでなく、患者さんの膝の形や大きさ、曲げることのできる角度などに合わせて、人工膝関節の機種を選択します。手術前にあらかじめ患者さんの関節のCT画像を撮影し、そこから3D画像を作成し立体的に確認。どういう角度からどの位置に設置するかなどの綿密な術前計画にも力を入れています。
手術の時間は1時間半程度。MIS(最小侵襲手術)という方法で行っているので傷口は小さく、さらに筋肉はできるだけ切らない低侵襲のやり方で行っています。
しかし、皮膚切開が短いということばかり気にしていると、視野が狭くて奥が見えにくいこともあります。正しい位置に挿入して、安定した設置ができるようにしっかりとした手技を行うためにも、あまり小さい傷にこだわるだけでなく、患者さんにとってふさわしいやり方で手術をします。
それ以外に私たちがこだわり心がけているのが、形成外科の医師と協力して傷口をできるだけきれいに縫合することです。傷跡が目立たないようにするために、縫い目は0.5ミリ単位、時間も手間も惜しみません。半年から1年経てば、傷跡はすっかり消えてしまいます。人工膝関節も、そのくらい経つと馴染んできて、自分のものになるでしょう。
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