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専門医インタビュー

変形性膝関節症は、患者さんのニーズで治療方法が決まる

この記事の専門医

森 聖 先生

東京都

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平成9年日本大学医学部卒業後、日本大学医学部附属板橋病院研修医へ、平成19年より日本大学助教 医学部勤務(整形外科学)、平成25年4月より博慈会記念総合病院整形外科医長、平成29年4月より現職に。
資格:日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医

この記事の目次

手術後のリハビリについて教えてください。

患者さんを支える理学療法士の皆さん

患者さんを支える理学療法士の皆さん

人工膝関節置換術の手術後は、血液が関節内にたまらないように挿入したドレーン(誘導管)を1~2日ほどで外した後、リハビリテーションが始まります。
リハビリを行うときに特に大切なのが、膝を曲げ伸ばしする運動です。術後、病室ではリハビリ用の機器で膝の曲げ伸ばしをする練習から始め、手術後3日目くらいから理学療法士と一緒に筋肉をほぐしたり、運動機器を使ったりして膝をスムーズに動かせるように練習します。
なかには、術後すぐに動かすのを怖がる患者さんもいらっしゃるので、患者さん一人ひとりの状況に合わせて、無理のないようにリハビリを進めています。

手術後は、やはり洋式の生活がいいのでしょうか。

生活スタイルにあわせて練習します。

生活スタイルにあわせて練習します。

膝の負担を考えると、ベッドやイスを使う洋式の生活のほうがいいと思います。しかし、実際には、様々な事情で和式の生活を変えられない方もいらっしゃいます。それに、膝が悪いときも和式での生活ができていたわけですから、手術後も同じように生活できなければ意味がありません。
そのため患者さんに、階段の高さやトイレの様式、風呂の深さ、寝るときはベッドか布団かなど、生活スタイルや住環境を細かく聞いて、病院にいる間にそれに合わせて練習をしてもらっています。
元と同じように生活できるようになるためには、少なくとも手術前と同じように膝の曲げ伸ばしができなければいけませんから、患者さんにもその訓練は特に頑張ってもらっています。
運動に関しては、人工膝関節自体がかなり進歩していますので、ある程度の運動も問題なくできるようになっています。

膝の痛みを抱えている人へメッセージをお願いします。

森 聖 先生

まずは、整形外科を受診していただいて、気軽に悩みを相談していただきたいと思います。特に、痛みが一週間以上続いていたり、腫れたり治ったりを繰り返す場合は、どこかに炎症が起きている可能性があります。こんなに痛いのだから、整形外科を受診すると手術を勧められるのではないかと躊躇する方もおられるようですが、そういうことはまずありません。レントゲンなどで痛みを引き起こしている原因を突き止めれば、治療法には色々な選択肢があり、個々の患者さんにあった様々な方法を組み合わせた治療も可能になります。
変形性膝関節症の場合は、急速に変形が進んで手遅れになるということはあまりありません。しかし、股関節の変形は急に進むことがあり、それが膝の変形につながることもあります。変形性股関節症の治療も行っていますので、違和感があるのに放置したり痛みをがまんしたりせずに、すぐに相談しに来てください。予防のための指導も行っていますので、長く歩き続けるために、一緒に頑張りましょう。




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