メニュー

専門医インタビュー

手術に踏み切るタイミングは患者さんのライフスタイルを頭に描いて

この記事の専門医

岡崎 賢 先生

東京都

プロフィールを見る

福岡県出身、1993 年九州大学医学部医学科卒業、同大学院医学系研究科修了。2000 年米国ワシントン大学整形外科留学、 帰国後、九州大学病院医員に。同大学院医学研究院助手(次世代低侵襲治療学)、助教、講師、准教授を経て、2017 年現職に

この記事の目次

3カ月間の頑張りで、満足度アップ


杖を使ってもいいから、自立して外が歩ける状態になったら退院です。人の手を借りずに外を歩く、階段の上り下りも自分でできるように、入院中にしっかり訓練します。 そこから先は、外来でのリハビリで仕上げていくことになります。 退院後1カ月たったら外来でチェック、異常がなければ3カ月後、半年、1年後と定期的に受診を忘れないように。退院後の1カ月は、自宅で十分に筋力トレーニング、リハビリをしてください。これがポイントです。最初の3カ月が勝負なのです。
膝の曲がり具合、力の入れ具合、この3カ月で得られなかったものは、その後も望むのは難しいのです。この時期にどこまで頑張れるかで、満足のいく膝の動きを自分のものにできるかどうかが決まりますよ。 2~3週間で退院後、外来リハビリに通うか、あるいはリハビリができる施設、回復病棟に移ってみっちり行うか、2つの選択肢があります。どちらにしても、その3カ月間は手を抜かないで、膝の曲げ伸ばしの訓練です。
人工膝関節置換術を受けた人の2割くらいは、なにか違和感があるというデータがあります。感じ方はそれぞれですが、それでも半年もたてばそんなに気にならなくなるようです。 人工膝関節にしたからといって、特別やってはいけないことはありません。高いところから飛び降りたりする衝撃はいけませんが、その年齢の人は、まずそんなことはしないでしょう。スポーツもその年齢の人がする程度なら大丈夫。
ウォーキングやジョギングをする人も多いですね。ボーリングや卓球、バドミントンもたくさんの人が楽しんでいます。「転ばないように」とはよく言いますが、これはその年齢の人ならだれにでも当てはまること。手術を受けた患者さんが、「こういうことができるようになりました」と、元気に活動されている動画をよく送ってくれます。大事にすべて保存してあります。

患者さんへのメッセージをお願いします

岡崎 賢 先生

人生は楽しく、痛みは我慢しないで
あまり手術を恐がらないで、痛いのに、我慢して我慢して、自分の生活を小さくしないでください。早いうちに我々に相談してもらいたいですね。
人工膝関節にした多くの人から、「こんなに良くなるのだったらもっと早く手術をしていればよかった」というセリフを聞きます。「あんなに我慢していた10 年間がもったいない」とも。自分の人生は一度切り、返ってこないのですから。
痛みが強いだけでなく、見た目にも変形している膝の場合は、どこかの段階で手術をしなくてはならないでしょう。例えば85歳になるまで我慢するなんていうのは酷です。もう少し早い段階での手術を勧めます。毎日をもっともっと楽しく暮らしてほしいと思います。
人工関節置換術は特殊な手術ではありません。日本中どこでも多くの医師が行っています。手術をする、しないにかかわらずとにかく相談してください。どの方法が一番合うか、一緒に考えていきましょう。


この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop