専門医インタビュー
愛知県
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人工膝関節置換術を受ける患者さんの年齢の幅は非常に広いのです。
特に関節リウマチの患者さんを加えると20代30代の方も対象になりますし、高齢の方だと90歳を目の前にした人もいます。
麻酔科や内科のバックアップ体制があれば、大丈夫。内臓は元気だが、膝が痛くて出かけられない、旅行にも行けないというなら、年齢は関係ありません。
人工膝関節置換術は、本人の希望が一番です。
手術は医師が頑張りますが、その後のリハビリは患者さんの頑張りが第一。
その意欲がない方には勧められません。心臓やがんの手術と違って、この手術をしなければ命に関わるということではないのです。
QOL(生活の質)を高めるのがこの手術です。
退院後に有効なリハビリ
手術後の合併症で怖いのが深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群です。
これを防ぐためには、手術後の早い時期から足を動かしてもらいます。
ふくらはぎをきゅっと締めるストッキングを履いたり、マッサージをする器具を付けたり、血液を固まりにくくする薬を使ったり注意して予防します。
手術後のリハビリは非常に大事です。
まず、立つ、歩く、関節の曲げ伸ばしを訓練し、筋力トレーニングを行います。
手術後1週間もすれば、自力でリハビリ室まで歩けるようになります。
表面の傷は、10日から2週間で治りますから、それと同時に歩けるようになったら退院する方もいます。
一般的には3~4週間の入院が多いと思います。
退院すればリハビリは終了というわけではありません。家の中でのなにげない日常生活動作も、有効なリハビリです。
関節の曲げ伸ばしと筋力トレーニングは毎日行うこと、これは宿題です。
椅子に腰かけて膝を曲げ伸ばし、膝を上げておろして、そういう運動を毎日続けてください。
退院後1か月くらいは、無理をしないで転ばないように、大事にしてください。
3カ月から半年たてば違和感もなく、普通に動けるようになります。
膝に体重がかかった時に、痛みがなくなるのが、人工膝関節置換術の最大の効果でしょう。
ほとんどの方は、手術後に旅行や買い物に出かけることができるようになったと喜んでおられます。
山登りをしたいという方は、さすがに止めましたが、ウオーキングやゴルフ程度は問題ないです。
手術をしたのに、もし痛みが出たり、膝が腫れた感じがしたら問題です。すぐに受診してください。
半年から1年に一度、レントゲンで状態を確認をします。手術後の定期的な点検・メンテナンスが大事なのです。
もし60代の若さで、膝が悪いから好きなことができない、バス旅行に行けない、何かをあきらめている方がいたら、人工膝関節置換術を勧めたいと思います。
手術後のリハビリは、手術前の関節の動きや筋肉の状態と大いに関係します。
すっかり膝が動かなくなってから、寝たきりになってしまってからの手術は、あまり意味がないかもしれません。
まだ膝の機能が残っている段階で、痛いから動かすのがつらいというときに、人工膝関節置換術を考えてほしいと思います。
人工膝関節置換術をためらう方もたくさんいますが、不安なことは遠慮せずに相談して下さい。
手術はあくまでも最終手段、まずはそれ以外の方法を徹底して行ってみましょう。
それを行っても日常生活に支障をきたす、好きなことを我慢し、あきらめているようなら、相談してください。
また、何年も同じような保存療法を続けているのに、思うように改善しない、このままでいいのかしらと不安になったら、まずは主治医の先生にしっかり伝えましょう。
一度他の病院に相談に行くのも一つの手かもしれません。
今、一番必要な方法を一緒にじっくり話し合っていきましょう。
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