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患者さんストーリー

つらかった足首の痛みがやわらぎ、階段やバスの段差にも力を入れて踏み込めるようになりました。

足関節

ゆうこさん

ゆうこさん
52歳(手術を受けた年齢)

病名 リウマチ性関節炎

治療法 人工足関節置換術

リウマチ性関節炎のために、手足の痛みや腫れに悩んでこられたゆうこさん。足首の人工関節手術(人工足関節置換術)を受けられ、現在は問題なく日常生活を送り、お仕事にも復帰されています。
手術を受けるまでの経緯や手術を受けてどう感じているかなど、詳しくお話をしていただきました。

取材日:2025/4/4

足首に痛みや腫れ、違和感が出たのはいつ頃からですか?
リウマチ性関節炎

リウマチ性関節炎

ゆうこさん 30代前半頃に関節リウマチを発症し、手足に痛みや腫れが出始めました。当時はお薬をもらっていたのですが、特に左足首と右ひざが腫れて熱を持っていました。多分、無意識に先に腫れた左足首を庇っていたので全身のバランスがおかしくなってしまい、それが右ひざに影響したんでしょう。そのうち、どうしようもなく右ひざが痛くなり、40代に差し掛かる頃に右ひざの人工関節を入れる手術(人工ひざ関節置換術)を受けることになりました。
手術後は痛みが消えてとても楽になり、普通に歩けるようになりました。ところが、50代前半になり左足首に痛みと腫れと熱をもつようになりました。ズキズキするような痛みがどんどん強くなり、腫れも大きくなってきたので内科の先生に相談したところ、その日のうちに整形外科の先生に診てもらいましょうということになりました。診察の結果、リウマチ性関節炎の診断を受けました。

足首が痛くてどんなことが辛かったですか?

ゆうこさん 仕事をしていましたので、通勤が何より辛かったです。歩くのはもちろんですが、特に駅の階段の上り下りが辛かったです。痛くて力を入れられないんです。特に降りる時に痛くて踏み込めないんです。それから、バスは時々急ブレーキを踏むから、踏ん張らないといけない時がありますよね。それに耐えられないことが怖くなり、乗車中は特に慎重になりました。
また、足首の状態に合わせた靴や服選びの苦労も少しありました。現在ではいろんなデザインのスニーカーが販売されていますが、当時は今ほど種類がありませんでしたし、仕事着にスニーカーを合わせることも一般的ではなかったので、好きなおしゃれができないのは寂しかったです。腫れた足首に当たらない靴を探した結果、浅いバレエシューズタイプが楽でした。

人工足関節置換術を決断したとき、どのような気持ちでしたか?

ゆうこさん 新しく日本で導入された人工足関節置換術の手術件数がまだまだ少ないと先生から説明を受けたことが気になりました。自分で調べようにも、症例が少なかったので探すこともなかなかできず、どうしようかと少し悩みました。
でも、右ひざの手術をしたときにひざの痛みが軽減し自由に歩けるようになったこと、そして身体の動きが楽になったことで、生活や通勤がしやすくなったのを身をもって経験していましたので、人工関節の手術そのものには不安はなかったです。先生から手術の説明を受け自分で考えたあと、手術を受ける決断をしました。両親に話したところ、「右ひざの時と同じように楽になるんでしょ」と言ってくれました。私が「痛い、痛い」と言うのを聞くのが辛かったみたいです。今振り返ると、心配かけて申し訳なかったなぁと思います。

人工足関節置換術_
手術を受けた感想と、手術後の状況について教えてください

ゆうこさん 歩き始めたとき、手術前に感じていたような痛みはありませんでした。早いうちから車椅子を使わず杖ですぐにトイレに行けるようになり、リハビリと称して病院内を歩き回っていました。ただ、私の場合は少し特殊かもしれませんが、関節リウマチが持病なので手術前は免疫を低く抑える薬を休止する必要がありました。また、手術後に傷口からじんわりと出血が続いたのですが、検査の結果その原因が日和見感染であることがわかりました。菌も特定できたためお薬を処方してもらってようやく出血も止まりました。退院後は痛みもなく動きに制限はなかったのですが、滲出液がわずかに出る状態が半年ほど続きました。
退院後に痛感したのはリハビリの大切さです。病院は廊下も広いですし、障害物もありません。でも、自宅ってそうじゃないんですよね。廊下が狭かったり、階段の勾配が急だったりします。外の道路も凸凹や段差がたくさんあります。なかなか大変なんですよ。私自身も家に帰って階段を上がったときに「あれ、思った以上に急勾配だな」と感じました。日常生活をちゃんと送るためには、リハビリをしっかりしないといけないなと。手術後に先生からOKが出たら、自分から自主的にリハビリした方が、早めに日常生活に戻れると思います。

階段_
手術後にできるようになったことはありますか?

ゆうこさん 階段の上り下りで足に力を入れられなかったのが、普通に力を入れられるようになったことです。痛みや腫れが収まり、長時間歩けるようになったことは本当に嬉しいです。また、ちょうど手術した頃にリウマチに対する新しいお薬が出てそれを処方していただいたためか、リウマチの症状も落ち着いています。足に力を入れて踏ん張れるようになったので、今は電車もバスも安心して利用できています。
私の場合は右ひざに人工関節を入れていますしリウマチという持病もありますので、他の方よりは多少の動作の制約はあります。手術前にすでに足の甲の部分の軟骨がすり減り動きが悪くなってしまっているので、正座したりとか自転車をこいだりとかはちょっと難しいですね。でも、近場での旅行を楽しんでいます。今後は、ハイキングなどにも挑戦したいです。

ゆうこさん_
同じ疾患に悩んでいる方へメッセージをお願いいたします。

ゆうこさん 同じ病棟に人工関節手術を受けた他の患者さんがいたのですが、「手術をやって良かった」「自力で歩けるようになった」と話されていましたし、両足首が悪い患者さんが、「もう片方もすぐにやるわ」などと嬉しそうに話されていたのが印象に残っています。同じように痛みのつらさを経験してきたので、互いに共感できました。
それから、年齢的にも友人から手足に痛みが出る人が増えていて、私に「リウマチってどんな症状? どのタイミングで病院に行ったらいい?」と聞かれることも多くなりました。私の場合は母がリウマチを患っていましたので、早い段階で「もしかして私も?」と思って診察を受けたのが今となっては良かったと思っています。リウマチは指の第2関節から腫れるといわれていますが、私は第1関節と手の甲が腫れたんです。もしも身近に母がいなければ、これはリウマチではないと思って受診が遅くなり、その後の暮らしや人生が変わっていたかもしれません。少しでも「あれ?」って思ったら、内科や整形外科でもいいのですが、できればリウマチ科を受診されて「リウマチの可能性ありますか?」とハッキリと聞いて、血液検査などをしてもらった方がいいと思います。

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