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患者さんストーリー

まっすぐになった脚でスッスッと歩けるのが何よりうれしいです。

この記事の患者さん

ひざ関節

吉岡 美貴子さん(仮名)

吉岡 美貴子さん(仮名)
富山県在住 
76歳(手術を受けた年齢)

病名 変形性膝関節症(両足)

治療法 人工膝関節置換術

この記事の目次

02 両膝の置換手術へ

手術を決断するきっかけは?

吉岡さん やはり、痛みが限界だったからです。主人は脳出血で要介護5、左半身麻痺があり全介助が必要ですから、家をあけることもままなりません。でも、もう限界。痛み止めの湿布も飲み薬も、ヒアルロン酸の注射も、とにかく何も効かないほど寝ても覚めても膝が痛かったのです。最後のほうは、膝を曲げられない、正座もできない、投げ出して座るか横になるしかない。杖をついても歩くたびに、コッツンコッツン音がするようにもなりました。O脚もみっともないほどひどくてね…。

それで手術を受けようと決め、かかりつけの内科の先生に紹介状を書いていただきました。それを持って向かったのが、富山県内にある総合病院の整形外科。2014年10月のことです。

膝や肘などに「尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)」の症状があり、手術中にその細菌が体内へ入っては危ないということで不安はありましたが、幸い症状が改善してきました。足の親指に巻き爪もあったのですが、人工関節への感染を予防するために同じ整形外科で11月に手術して、2015年の1月に膝の手術をすることが決まりました。

先生 膝の痛みには3段階あります。第1段階は、階段の上り下りや立ち座りに痛みを感じるレベル。これは膝に体重の5倍の負荷がかかっている状態。第2段階は平地を歩いても痛いレベル。膝に体重の3倍の負荷がかかっている状態です。第3段階は、安静時、何もしなくても痛いレベル。ここまでくると患者さんはもう耐えきれません。尋常性乾癬や巻き爪がある場合は、人工関節に菌がついて感染症を引き起こす恐れがあるので手術前に治療しておく必要があります。

膝の痛みの変化
両脚を同時に手術することに不安はなかったのですか?
吉岡 美貴子さん(仮名) イメージ写真です

吉岡さん 「両脚を同時に手術して、ちゃんと立てるかな。歩けるかな」という気持ちは少しありましたが、片脚ずつ手術を受けるとなると、2回手術をしなくてはならないですよね。主人の介護を考えるといっぺんに済ませたほうがよいと、むしろ早く手術したいと思っていました。

わたし、一度決めたらあっさりとしているんです。痛みから解放されて脚がまっすぐになるなら…、という思いで手術を決めましたし、以前から先生の評判は耳にしていて信頼していましたので、不安はありませんでした。

吉岡さんが使用していた人工関節手術のハンドブック

先生からはレントゲンでの変形性関節症の進行の段階(グレード)が1~5までだとしたら、私のレントゲンはグレード4くらいと言われ、家族も納得して同意書にサインをしました。病院から人工膝関節置換術の専用ガイドブックをもらって、ビデオも見ましたし、先生や看護師さんからも十分に説明していただきました。

手術日まで3か月ほどの期間は手術に備えて何か行いましたか?

吉岡さん 手術前は月に1回ほど通院し、診察や検査をしてリハビリ室へ行き、筋力測定やトレーニングを行いました。O脚がひどく膝を深く曲げることはできませんでしたし、介護に時間を取られて十分な準備はできませんでしたが…。けれども入院中と手術後1か月、主人を預かっていただくショートステイの手配をして、今度は自分のためにがんばろうと思いました。

先生 通常は、手術以外の治療を十分してみて、それでも痛みがひどいと仕方なく手術に踏み切りますが、吉岡さんの場合は、膝の変形が進み、もう手術しかないだろうという状態でした。両脚同時に手術するのか、片脚ずつかはケースバイケースですが、痛みをとることが目的の手術ですから、患者さんのご希望と全身状態の検査結果に応じて医師は判断します。

03 人工膝関節手術を
振り返ってみて

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