患者さんストーリー
股関節
押川 恭枝さん
神奈川県在住
79歳(手術を受けた年齢)
病名 大腿骨頚部骨折(左足)
治療法 人工股関節置換術
この記事の目次
03 人工骨頭手術を受けて16年…長年使い続けた人工骨頭を人工股関節に入れ替えたら、面白いくらい歩けるようになりました
通いなれた病院の前に広がる
海岸がお気に入り
今にして思えば、人工関節手術を受ける前は、たとえばお勝手で作業をするようなときにも、無意識に左足を浮かして立つなど、手術をした足をかばう動作をとっていたようにも思います。そういうことを考えると、手術を恐れて痛い時期を引き延ばしてしまうよりは、手術をした方がよいと思いますね。
今はお芝居は引退しましたが、それは手術のせいではなく、80歳になったから。昔から台詞覚えには自信があったのですが、自分でも気づかないうちに台詞を飛ばしてしまうようなことも出てきて、共演の俳優さんに迷惑はかけられない、と区切りを付けました。もっと早くに手術をしていたら、お芝居にももっと本格的に戻れたかもしれませんね。歳をとってからだと、せっかく手術で元気になっても、体の別の場所がそれまで通りにはいかなくなってきますから。早く手術をしたほうがよいな、と思うのにはそんな理由もあります。
それでも最近も仲間の芝居を観に出かけたり、二回目の手術後も毎年定期的に行われるイギリス館での「朗読と音楽の会」には出演もしていました。今年はまだ決めていません。
人工骨頭手術を受けられて長年過ごされると、どうしても骨頭が骨の中に沈み込んできます。そうなるとゆるんでガタガタ動くようになり、痛みも出てくるんですね。同時に骨盤の側も傷んでくるので、あるタイミングで、骨盤側の受け皿も新たに作る人工股関節手術をするのが一般的です。
押川さんの場合は、人工骨頭の手術を受けられたのが十数年前で、人工骨頭の精度も現在のものに比べて低かったため、最初に捻挫で来院されたときにも“ステム”と呼ばれるインプラントの沈み込みが始まっていました。手術当時のレントゲン写真と見比べてみると分かるんですね。
長年使っていると人工骨頭が傷んでくることもあります。多少の沈み込みやゆるみが出たからといって、必ずしもすぐに手術をする必要はありませんが、足の長さに違いが出たり、痛みがあるようなら再手術を考えてみられては、と思います。
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