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専門医インタビュー

最期まで、元気に自分の脚で動けるように。それを助けるのが人工関節です。

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福井県

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日本整形外科学会認定医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本リウマチ財団リウマチ登録医、医学博士(H10年6月 自治医科大学)、日本膝関節学会、関節鏡学会、日本人工関節学会、日本手の外科学会などに加盟

この記事の目次

やはり、リハビリが大事なのですね。

膝の曲げ伸ばし運動。バランスボールなどを使用して筋肉を鍛えます

はい。保存療法を続けている場合でも、手術を受けた後でもリハビリはとても大切です。特に術後は専門の理学療法士が患者さんに個人に合った運動をアドバイスしながら、退院後も毎日自分で続けられるよう、指導しています。例えば、安全な歩き方、階段の昇り降りの方法などのコツを丁寧に指導し、退院してからも続けられるように体で覚えて帰ってもらっています。
退院後は、術後の定期健診が重要になります。検診のペースは、年に2回、定期的に受診してもらっています。最初のうちは、自宅で正しく運動ができているかどうかも確認しています。2年間くらいはきちんと通っても、その後は調子が良くて、受診を忘れてしまう人もいますが、レントゲンと膝の動きの確認検査は、調子が良くてもきちんと受けてもらいたいですね。

その他、人工膝関節置換術に関して何か注意点はありますか?

膝に違和感を覚えたら、できる限り早めに受診してください

人工膝関節置換術で一番怖いのは感染です。術中に患部に菌が付着し、感染することもありますが、手術後何年も経過してから、自分の体内の他の部分に存在していた菌が血液で運ばれてきて、人工関節の周囲に付着し感染を起こした、というケースもあります。術前だけではなく、術後も全身の健康管理は重要です。万が一、膝に違和感を覚えたら、定期検診を待たずに、できる限り早めに近くの施設を受診し、専門医に相談してください。
なお、人工膝関節置換術で一番大切なのは「安全と清潔」だと思います。そのためには、手術のやり方や使用する機械は変えない方がいいと思っています。最新の方法をどんどん取り入れて行う医師もいるかもしれませんが、私は術者が手慣れた方法で行うのが、一番患者さんのためにもなると考えています。

現在、膝関節の痛みで悩んでいる患者さんへのメッセージをお願いします。

膝の痛みを進行させないためには、まずは膝の上部の筋力強化に取り組んでください。症状がさらに悪化する前に、膝の筋肉を鍛えることがとても重要です。必要ならば足底板などの器具を使用して、膝に負担がかからないようにサポートすることも可能です。高齢社会ですから、今後ますます変形性膝関節症の患者さんが増えてくるでしょう。全ての人が手術の対象になるわけではありませんが、いずれにせよ早めの対応が肝心です。自分で大丈夫と思う程度の痛みは我慢してもいいですが、我慢しすぎて動いていると余計な負担がかかって、他のところまで痛めてしまいます。早い時期に気軽に整形外科に相談することを勧めます。受診してみたら、他の病気が痛みの原因だったという事例も実際にありますから、何でも相談してください。
車イスや寝たきり状態で長生きをするのではなく、自分の脚で歩け、最期まで元気で仕事を続けながら生きていきたいと、誰しもが思うでしょう。年齢とともに膝の関節が変形するのは仕方がないとしても、自分の脚で動けなくなる前に行動するように意識を持つことが重要です。人工膝関節置換術は、そのような患者さんの痛みや辛さを軽減し、自分の脚で歩けるように助けることを可能にします。患者さんの希望に合わせて、私たちは全面的に協力をしたいと思っています。


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