専門医インタビュー
兵庫県
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一般的に手術翌日には離床し、歩行訓練や可動域訓練を開始します。できるだけ早くリハビリを始めることで、血液循環が良くなり、深部静脈血栓症のリスクが軽減します。現在では、術後に複数の痛み止めを混ぜた薬物を投与し、最初の24時間は痛み止めの点滴を併用するなど、術後早期の疼痛管理が進化しているので、早期からのスムーズなリハビリが可能になっています。退院時には杖なしで歩ける方も多いのですが、最初のうちは安心・安全のためにもしっかりと杖を使い、正しく綺麗な姿勢を意識して歩くようにしましょう。
近年は入院期間が短縮し、入院中のリハビリ期間も短くなっているので、できれば退院後も、リハビリが可能な施設で歩行訓練や可動域訓練を継続することをお勧めします。通院が難しい場合は、自宅でできるエクササイズを指導してもらい、退院後も太ももやお尻といった股関節周囲の筋肉を鍛えるようにしましょう。
日常生活動作に制限は特に設けていません。できることは全部やっていただいて大丈夫です。ただし、和式トイレのように股関節を深く曲げる姿勢や、股関節をひねる横座りなどは、脱臼リスクがありますので避けた方が良いでしょう。椅子とテーブル、ベッドといった洋式の生活のほうが股関節には優しいので、なるべく取り入れることをお勧めします。
スポーツに関しては、人と接触するようなコンタクトスポーツは禁止していますが、トレッキングやジョギング、ゴルフなど、ご自分の動きをコントロールできるスポーツを行っている方もおられます。
日本人女性の変形性股関節症は、生まれつきの寛骨臼形成不全が原因となって発症するケースが大半です。乳幼児期の検診で発見されて、既に治療を受けていることもあります。しかし、成人になった頃に股関節に痛みや違和感が出ても、そのまま様子を見ていると30代後半~40代で変形性股関節症を発症することがあります。股関節などの骨格は遺伝的要素があります。血縁者に股関節疾患の方がいる場合は、若くても股関節に痛みや違和感があれば放置せずに、早期に治療を受けることで症状の改善や進行を予防することが期待できます。できるだけ変形性股関節症にならないように、早めに股関節の専門医に相談することをお勧めします。
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