専門医インタビュー
膝を伸ばす、曲げるといった十分な動きを獲得するために、手術後のリハビリをしっかり頑張る必要があります。入院期間中に行うリハビリは、正しい歩き方の獲得や、手術による腫れや痛みを抑えるといった目的はもちろんですが、退院してからもご自身でリハビリを続けてもらうための土台作りにもなります。早い方であれば、手術当日の夕方から、理学療法士とともに膝を動かす訓練をベッド上で開始します。入院期間中、理学療法士とともにリハビリを行う時間は限られていますので、それ以外に自主トレーニングが非常に大切です。自主トレーニングとして、1日5回、設定した回数の膝の曲げ伸ばし訓練を行って頂くようにしています。その際にチェックシートを用いることで、しっかり自主トレーニングができているかを日々ご自身で確認していただいています。入院期間中に自主トレーニングを習慣化することで、ご自宅に帰ってからも積極的にリハビリを続けてもらえることを期待しています。
ご自宅に戻られてからも、先に述べた曲げ伸ばしの訓練は継続して頑張っていただきたいですが、日常生活動作により、全体の活動量が上がることで一時的に膝の腫れや痛みがひどくなることがあり、結果的に機能が悪くなることがあります。そのため、手術日から1~2ケ月くらいはあまり家事や仕事をせず、周囲の協力に頼りながら、のんびり過ごしていただきたいと思います。
時間の経過とともに、筋力が改善し、痛みが軽減することで、歩容の改善に加え、できることが色々増えてくると思います。退院直後よりも3ケ月後、3ケ月後よりも半年後というように、長い時間の経過で次第に状態が良くなっていくと思いますので、焦らず根気よくリハビリを続けてください。
術後の活動制限は原則的に設けておりません。もともと行われていたスポーツ活動に復帰される方もいらっしゃいます。具体的にはテニスやダンス、グランドゴルフ、卓球、スキーなどが挙げられます。目標をもって手術を受けて頂き、最終的にその目標を達成して頂きたいと願っています。
膝の痛みを改善して、日常生活や趣味、仕事などを支障なく行いたいと考えている方は、ぜひ一度整形外科を受診していただきたいと思います。膝の状態や治療の目的によって手術を含め治療方法は様々です。手術に対しては誰でも抵抗があると思いますが、漠然とした不安のせいで手術を受けることをためらっていらっしゃるようであれば、一度専門医に相談し、しっかりと説明を聞くことが重要だと考えます。様々な膝の治療法の中から、ご自身の目標に合った納得のいく治療法を選択することが大切です。
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