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専門医インタビュー

肩の痛みは様々な原因が考えられます お一人で悩まず肩の専門医にご相談ください

この記事の専門医

鈴木 隆 先生
  • 鈴木 隆 先生
  • 西京都病院 副院長・整形外科部長
  • 075-381-5166

京都府

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専門分野:スポーツ外傷・障害、肩・膝関節鏡視下手術
専門医・認定医など:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、難病指定医

この記事の目次

四十肩、五十肩になる原因はあるのでしょうか?

四十肩や五十肩

四十肩、五十肩は、肩関節の組織に異常はなくても、肩が固くなったり動かなくなったりして痛みが出る総称になります。ただし、本当に原因が何もなくて症状が現れる方は少ないのではないかと思います。若い頃に腱板を中心とした組織の損傷を経験したことで、40、50代という肩が固まりやすい年代になって症状が出てくる場合や、腱の一部が切れ炎症だけでなく、肩関節のバランスが微妙に崩れて関節の癒着が始まり、四十肩や五十肩の症状が出てくることが考えられます。

肩の脱臼について教えてください

肩関節は、非常に不安定な関節で、スポーツなどで衝撃が加わり、肩の後方よりも前方側に脱臼することが多くあります。前方側に脱臼した場合、関節包靭帯(中関節上腕靭帯、下関節上腕靭帯)が傷ついたり、靱帯と連続する関節唇(かんせつしん)が剥がれる(バンカート病変)ことがあります。また、関節包靭帯が切れると、腱板のひとつである肩甲下筋が緩んだり部分的に断裂していたりすることが多くみられます。関節唇が剥がれるのではなく、稀に途中で切れていたり、上腕骨側の関節包が剥がれていたりすることがあるので、肩関節がどのような状態なのかをきちんと診断し治療方針を決めていく必要があります。
肩の脱臼や亜脱臼は、肩の筋肉を鍛えることで、ある程度は予防につながると思います。しかし、再度脱臼するリスクがあるので、きちんと治そうと思われるのでしたら、剥がれてしまった部分を縫合したり、肩甲下筋を修復したりする関節鏡視下手術が効果的な治療法だと思います。

腱板断裂について教えてください

腱板断裂

腱板断裂

若い方の場合は、スポーツや事故、転倒などの外傷が原因となる場合があります。高齢者の場合では、経年変化によって日常生活の何気ない動作がきっかけで、腱板が断裂することがあります。ただし、腱板が切れていても痛みなどの症状を感じない場合があり、肩関節全体としてバランス(求心位)が取れていれば、肩を挙げられるなど日常生活に影響を与えないことがあります。
腱板断裂は、一般的には、棘上筋から切れ始め、棘下筋、肩甲下筋へと断裂が広がるパターンが多くみられます。肩を専門にしている医師の中では、腱板と言うと棘上筋や棘下筋が注目され、どちらかというと肩甲下筋はあまり注目されない腱板でした。肩甲下筋は、経年的な変化だけでなく、上腕二頭筋によって常に負荷をかけられていることが原因となり損傷していることが多くみられます。肩甲下筋は関節包靭帯とともに、肩関節の前方性の安定性に大きく寄与している腱板なので、損傷を見逃さずきちんと診察し必要に応じて治療していく必要があると思います。


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