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専門医インタビュー

膝の痛みは悪化する前に受診を!進歩した多くの治療法があります

この記事の専門医

諸岡 孝明 先生
  • 諸岡 孝明 先生
  • 諸岡整形外科病院 理事長
  • 092-952-8888

福岡県

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資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、日本リウマチ学会認定リウマチ指導医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター
所属学会:日本整形外科学会、西日本整形・災害外科学会、日本臨床バイオメカニクス学会、日本リウマチ学会、日本リハビリテーション医学会、日本骨折治療学会、日本人工関節学会、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会
専門分野:膝関節

この記事の目次

手術後の痛みについて教えてください

人工膝関節全置換術後のレントゲン

人工膝関節全置換術後の
レントゲン

手術は痛みが強く伴うイメージがありますが、術中に通常の麻酔と併せて膝の周りに局所麻酔を行うので、手術当日の痛みはあまり感じません。以前は、鎮痛効果のある座薬や筋肉注射をしても手術直後は痛みで眠れないほどでした。現在は技術が進歩し、多くの方が痛みに悩まされることなく、ゆっくり睡眠をとることができています。
翌日から立ったり少しずつ歩いたりということを始めていき、さらに階段の昇り降りなどレベルを少しずつ上げながら動作の範囲を広げていきます。翌日以降は術中の麻酔効果が切れるため、少し痛みが出ることもありますが、それは人工膝関節が原因ではなく手術で切開した傷によるものであり、自然と解消されていきます。傷に対する鎮痛剤は多種あるので、副作用なども考慮しながら、組み合わせて使用し、強い痛みが出ないようにします。
また、入院中は膝の診察やリハビリと並行して、全身の管理もきちんと行うことが大切です。肝臓や腎臓などに薬の影響が出ないかなどを丁寧に確認します。ちなみに、鎮痛剤は長く常用するものではありませんので、退院後は様子を見ながら減らしていきます。

退院後の過ごしかたはどのようなものになりますか?

退院時は歩いて帰ることができますが、数ヶ月間は杖を持っておくに越したことはないでしょう。その後も定期的に通院して手術の経過をみていきます。
自宅での生活は、正座が困難になるため自然と椅子やベッドといった洋式のものが主流になると思いますが、退院直後から日常的な動作は格別問題なくできます。スポーツのようなアクティブな動きについては、個人差がありますが、主治医とも相談しながら無理のない範囲で行ってください。
ただし、必要以上に負担がかかって人工膝関節にゆるみが生じたり、炎症や感染などが起きたりというリスクもゼロではありません。大切なことは、手術をした膝に少しでも違和感を覚えたら、早めに受診することです。
人工膝関節によって膝の機能が改善し、痛みも時間の経過とともになくなっていきます。変形や痛みで制限されていた術前の生活から解放されるようになります。

最後に、膝の痛みに悩んでいる方へのメッセージをお願いします。

諸岡 孝明 先生

手術を受けた患者さんからの声で特に印象に残っているのは「私に脚をくださって、ありがとうございました」という言葉でした。大きな喜びややりがいを感じるとともに、手術を受けるまでその方がどれほど苦しんできたかが伺える言葉でもありました。そういった苦しみから解放されるためにも、膝に痛みや違和感があればまずは整形外科に受診されることをお勧めします。勇気を持って、ご自身の膝と向き合っていきましょう。
現在、医療技術は日々進化し、加齢に伴う変形性膝関節症の治療方法にも多くの選択肢があります。症状が進んでいるからといって必ず手術しなくてはならないというものではなく、保存療法で症状が改善するケースもあります。受診することを躊躇してしまう方もいるでしょうが、他の疾患と同様に、早期の発見や治療は重要なポイントです。膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ一度専門医へご相談ください。


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