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専門医インタビュー

変形性膝関節症の治療 歳だからとあきらめず前向きに治療と向き合ってみませんか

この記事の専門医

村上 弘 先生

兵庫県

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1990年京都大医学部卒。同大学院医学専攻科博士課程修了。京都大病院整形外科、小倉記念病院、日赤和歌山医療センター、倉敷中央病院 整形外科部長・人工関節センター センター長を経て、2021 年から小野病院。医学博士。
専門領域:膝関節
専門医等:日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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この記事の目次

リハビリから退院までの流れを教えてください

手術翌日にはドレーンを抜き、ベッド上でリハビリを始めます。全身状態が問題なければ、その翌日には理学療法士の介助をうけながらリハビリ室でのリハビリを開始します。
リハビリでたいへん重要なのは、よりよい可動域を獲得することです。可動域は術後からのリハビリをしっかり行わないと思うように得られないこともあります。リハビリを早期に行えるようにするため、術後の疼痛管理も以前と比べしっかり行われるようになっています。自立歩行ができるようになれば退院です。

退院後に気をつけることはありますか?

人工関節と上手に付き合うために、退院後は定期的に検診を受けることも重要です。人工関節に何か変化があった場合でも、ご本人に症状が出ていないうちに察知することで、より容易な方法で対応することが可能になります。例えばポリエチレンが摩耗した場合、初期の段階であればポリエチレンの交換だけで済みますが、摩耗しすぎて金属同士がぶつかるようになれば再置換が必要になることもあります。どんなに調子がよくても、1年に1度は必ず検診を受けるようにしてください。

膝の痛みに悩んでいる人、手術を迷っている人へアドバイスをお願いします

村上 弘 先生

最近、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)やフレイル(虚弱状態)という問題が取り上げられるようになりました。筋力や身体機能、活動性、社交性などが低下することで、要介護状態になっていくことが非常に重要視されているのです。
変形性膝関節症の患者様では、痛みによって家の中に引きこもるケースも多く、それらの原因の一つとなっています。人工膝関節置換術は、膝の痛みや変形の改善だけでなく、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)やフレイルの予防・治療といった面でも大きな意義があります。膝の治療を膝の為だけでなく、老後生活をより活動的に有意義に過ごす為と思って下さい。
実際、術前は屋内だけで生活していた人が、術後は国内外の旅行を楽しんだり、あきらめていたスポーツや趣味に復帰したという例もたくさんあります。外出歩行する、しないは、その後の寿命にもかかわってきます。昔と違い、治療環境が進化した現在は「歳だから膝の痛みはしょうがない」とあきらめる時代ではありません。膝に悩みをお持ちの方は、専門医に相談し、お話を聞いてみてはいかがでしょう。




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