専門医インタビュー
福島県
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従来の人工肩関節は、肩甲骨側の受け皿となるソケットと上腕骨側のボール状のものから成り立っていて、自分の腱板が残っていることが前提でした。痛みを伴い腱板が完全に切れてしまっている場合は、従来の人工肩関節を挿入しても、もとのように機能が回復するのは難しく、腱板が断裂していない変形性肩関節症や関節リウマチなどの慢性疾患を中心に行われていました。
リバース型人工肩関節
従来の人工肩関節
前途の腱板断裂を伴った変形性肩関節症をおこしているケースなどに、新しいタイプの人工肩関節が2014年に日本でも使えるようになりました。
新しい人工肩関節はリバース型(反転型)といわれるもので、ボール状のものを肩甲骨側に、上腕骨が受け皿(ソケット)になります。
従来の人工肩関節と比べ、腱板断裂を伴う変形性肩関節症の人でも肩の可動域が改善されました。
今まで人工肩関節をあきらめていた人にも、リバース型の人工肩関節で、腕が上がり、痛みも取れて動かすことができるようになります。
腱板に大きな断裂があるために、腕を上げられない人たちにとって、リバース型の新しい人工肩関節は、今後、大きな福音になるでしょう。
自力で腕が上がらなくなったのを放置していると、人工肩関節にしたとしても結果が芳しくありません。
この前までは上がったけれど、この頃腕が思うように上げられない、というタイミングで次の手を考えなくてはいけません。どの時点で手術に踏み切るか、見極めなくてはいけないのです。
もう歳だから、そんなに腕を上げなくても肘から下を使って、胸から下の範囲で限定的に生活をしていけば構わない、というならそれでもいいでしょう。ただ、別の世界を考えたいと思ったら手術を考えましょうと、患者さんには話しています。その際には、本人だけでなく、必ず家族の人たちとも一緒に話をしています。
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