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専門医インタビュー

人生100年の時代最後の10年間も自分の足で自由に動けるように

この記事の専門医

大沼 弘幸 先生

神奈川県

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平成6年 東京慈恵会医科大学医学部卒業、イタリア・スポーツ医学領域留学、平成8年 ドイツへ研修留学、平成22年 聖マリアンナ医科大学 整形外科学助教に復帰後、平成24年より講師に。平成26年 米国サンディエゴ スクリプス研究所留学、平成27年 聖マリアンナ医科大学 横浜西部病院 整形外科学 講師、整形外科 副部長
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医

この記事の目次

リハビリは手術の翌日から始まる

リハビリテーション室

リハビリテーション室

手術の前日に入院し、手術時間は平均して2時間弱というところです。手術後の腫れを減らすために患部を冷やし、翌日には車いすで動いたり、膝に体重をかけるためにその場で立ったり、膝の曲げ伸ばしの訓練を始めます。
平均して10日~2週間で退院、早い人は7日ほどで帰れるような状態になることもありますが、無理に早く退院する必要はありません。一人暮らしの方など、退院後のサポートが期待できない場合は、リハビリテーション施設に移ることもできます。
家の中で自立した普通の生活ができるようになった状態で、退院するのが目安。だいたいの人は杖を使って歩く練習をしますが、早々に杖を使うのを忘れるくらい回復する人もいます。すでに関節の変形がかなり進んで固くなっていた人は、多少時間はかかりますが、その人なりにリハビリを継続すれば望んでいた以上の生活が送れるようになります。

定期的に受診して、確認観察を

しばらくの間腫れぼったさが残る人もいますが、手術前の痛みはスッと取れます。痛くなくなった患者さんは、どんどん表情が明るくなっていきます。半年も経てば、違和感なく動けるようになると思います。旅行も、ゴルフも、みなさん、手術前には我慢していたけれどやりたかったことは、ほとんど叶えていますね。またトレッキングやノルディックウォークを行っている人もいます。特にノルディックウォークは、全身を使いますので、良いリハビリにもなると思います。
人工膝関節の土台になる骨は、動けば強くなりますから、できるだけ動いてください。外に出かけてください。人生を楽しんでください。
ただし、1年に1回は、確認のための受診を忘れないで。筋力が落ちていないか、膝だけを見るのではなく全身の健康状態を診ます。

手術を迷っている患者さんへのメッセージ

大沼 弘幸 先生

体に傷をつけたくない、手術は嫌だと考える人は、まだまだたくさんいます。できれば手術をしないですむように、一生懸命、筋肉強化の運動、リハビリをする人はそれでいいと思います。でも、外出や楽しいことをあきらめて、守りに入ってしまう、閉じこもっている人たちがいたら、ぜひ伝えたいのです。介護を受ける生活になってもいいのですか。
人工膝関節置換術は、保険適用の手術ですし、現在の制度では医療費も70歳過ぎたら1割負担です。介護施設や回復期リハビリテーション施設など活用できるいろいろなシステムができてきています。まずは専門の病院で相談してください。
これからは人生100歳を超える時代になるでしょう。しかし、最後の10年、15年間を寝たきり状態になるのではなく、自分の足で動き健康で長生きをすることができるようにしたいものです。それに対して人工膝関節置換術は大きな手助けができると思います。




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