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専門医インタビュー

手術用ナビゲーションシステム導入で、より安全で正確な人工膝関節置換術を!

この記事の専門医

末広 昌嗣 先生
  • 末広 昌嗣 先生
  • 長崎掖済会病院 院長
  • 095-824-0610

長崎県

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日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定リハビリテーション医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本リウマチ学会専門医、日本リウマチ財団登録医

この記事の目次

手術療法で用いる「人工膝関節」とは?

人工膝関節置換術

人工膝関節置換術

変形性膝関節症が進行していたり、保存療法を継続して行っても痛みがとれないという方へは、手術を検討します。
手術は、「人工膝関節置換術」になります。変形性膝関節症や関節リウマチのために変形してしまった膝の関節を、文字どおり人工膝関節に置き換えるという手術です。人工膝関節は、自然で滑らかな膝の動きを再現するため、主に大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)、膝蓋骨(しつがいこつ)に取り付ける3つのパーツで組み合わされてできており、高い耐久性を持った素材(金属やセラミック、ポリエチレンなど)が使われています。

人工膝関節置換術は誰でも受けられる?

末広 昌嗣 先生

「高齢者にとって、手術をうけることが負担になるのでは?」という声も聞きますが、内科的な問題がなければ、80代~90代の方でも手術は可能です。すでにご高齢の方の多くが手術を受け、痛みなどのお悩みから解放され、歩行能力を取り戻しています。
現在、人工膝関節置換術は全国で年間8万件以上実施されており、2008年の時点で手術を受ける人の平均年齢は73歳というデータがあります。とは言うものの、手術に対する不安や、体内に人工的なものが入ることに対する心配や、本当に痛みがなくなって普通に歩けるようになるのかと疑問に思う方も少なくないでしょう。しかし手術が必要な方には、事前に詳細をしっかりご説明し、様々な不安を出来る限り解消頂けるように努めています。
手術日が決まったら、その2週間前に採血・レントゲン撮影・心電図などの検査を行います。これは、手術が全身麻酔となるため、患者さんの体質・体調などが全身麻酔に対応可能か確認 したり、手術に影響を与えるような疾患がないかを調べたりするためです。万が一、この事前検査で何か他の病気が見つかった場合は、その治療を優先し、その後に手術を行う場合もあります。
何も問題がなければ、手術の2~3日前に入院し、可動域訓練など術後リハビリの予行練習を行います。

人工膝関節置換術はどのように行われますか?

人工膝関節全置換術後のX線(両側)v

人工膝関節全置換術後のX線(両側)

手術は、全身麻酔と硬膜外麻酔を併用し行います。硬膜外麻酔を併用することにより、持続的に麻酔薬を注入することで痛みを和らげ、術中および術後の痛み止めとして効果を発揮します。麻酔がきいてから、膝を切開し、損傷している膝関節の表面を取り除き、大腿骨と脛の骨にインプラントを埋め込み、その間に軟骨の代わりとなるポリエチレンを入れます。
手術を受けられる方の足の形は、O脚など変形していることが多く、足の形を正しく真っ直ぐにし、正しい位置に人工関節を埋め込むことも人工膝関節置換術では大切な事です。
そのため当院では、手術用ナビゲーションシステムを導入し、より早く正しい角度で骨を整え、適切な位置に人工関節を埋め込む手術を行っています。
手術時間は、片足の場合は1時間程度、両足同時の場合はその約2倍の時間になります。変形性膝関節症は痛みの度合いに差があるものの、両足に発症することが多く、両足とも手術が必要というケースも少なくありません。
入院期間やリハビリのプログラムなどは同じなので、麻酔が1回ですんだり、医療経済的な面から両方一度に手術を受ける方が良いかもしれません。片方ずつを希望される場合、次の手術までの期間に決まりはありませんが、輸血を回避するために、最初の手術で生じた貧血状態が改善するまでは時間をあけることをお勧めしています。


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