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専門医インタビュー

歩けない、動かないと様々な機能が低下する人工膝関節は全身的な健康維持に貢献

この記事の専門医

赤木 將男 先生
  • 赤木 將男 先生
  • 樫本病院 顧問
  • 072-366-1818

大阪府

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1983 年京都大学医学部卒業。2000 年米国ロマリンダ大学研究員。帰国後、近畿大学医学部附属病院講師(現:近畿大学病院)に、2012年より現職。日本整形外科学会理事・専門医、日本人工関節学会理事・評議員、日本リウマチ学会専門医・指導医。

この記事の目次

特別なリハビリの努力は必要ない

整形外科リハビリテーション部

入院は2週間。手術後にベッド上でじっとしていると、いろいろな合併症の問題が生じます。たとえば重大なのが、肺塞栓症、いわゆるエコノ ミークラス症候群です。それを防ぐためにも、手術の翌日には車いすでトイレに行き、午後からはリハビリを開始、歩く訓練をします。 入院中の2週間で歩けるようになりますが、この期間はケガを治すための時間でもあります。手術は少し大きなケガをしたと考えてください。 ケガが治れば自然に動けるようになります。手術前にできていたことは、もっと楽にできるようになるでしょう。しかし、変形が強く膝が拘縮を起こしていて、伸びない、曲がらない状態だった人は、曲げ伸ばしの訓練に時間がかかり、どうしてもリハビリに時間がかかります。手術前に歩行能力が残っていることが、人工膝関節置換術を成功させるのにはとても重要なのです。
とはいっても、手術後の特別なリハビリはあまり要求されません。

リハビリテーション部

ケガをした部分は、自然に元の状態に戻っていきますから。ベッドサイドに腰を掛けるだけでも膝は曲がります。そうすると自然に腫れが引いて膝が曲がるようになります。手術さえ上手にしてあげれば大変なリハビリを乗り越えて努力しないと歩けるようにならない、なんていうことはありません。 どうせ手術を受けるのなら、膝の状態があまり悪くならないうちに受けてもらった方が医師も楽、患者さんも楽、手術も安全にできると言えます。あまり長く放置しない我慢しすぎないのも大事です。

日常の生活がリハビリになる

赤木 將男

退院する時には、杖をついて歩いて帰ります。大ケガをした後ですから、しばらくは慎重に転ばないようにしてください。
退院後、2週間で受診してもらいますが、その時に杖を突いてくるのは半分くらいです。診察をして、問題がなければ、「出来る事は何でもやってください」「どんどん歩いてください」「どんどん使ってください」と指導します。正座はできませんが、してはいけない動きはありません。
もしまだ膝が硬めだった場合には、風呂に入って温めてストレッチを続けるようにとアドバイスをしています。そのあとは3か月、6か月、1年毎の定期検診を必ず受けること。普通の生活をしていく中で、リハビリができていることになります。


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