専門医インタビュー
リハビリの風景
手術の翌日から、車いすを使ってトイレにも行き、約2週間で退院となります。術後のトラブルで怖いのは脱臼です。手術の直後に、動きすぎたり転倒したりすると外れてしまうこともありますから、注意が必要です。特に元気な人ほど痛みがなくなると嬉しくなって、つい動き回ってしまいがち。手術の創が治るのに2 週間くらいは時間が必要ですから、初めは無理のないように動いてください。
当院のリハビリルームには、関節専門のリハビリの先生が患者さんに応じたリハビリを指導しています。退院後は基本的には動きの制限はしていません。大事なことは、転ばないように、骨折しないように。
病棟回診の風景
私の診察では、いつも患者さんの歩いている姿をみています。入院中も、回診時に患者さんと一緒に病棟を歩いています。はじめは痛くて杖をつかないと歩けなかった人が、まっすぐ歩けるようになる、その変化に一人ひとりつきあっていくのが私自身の喜びでもあります。実際に、歩いてみないと分からないこともたくさんあります。退院するまでに、どの筋肉を重点的に訓練すればもっとスムーズに歩けるようになるか、ということも確かめることができます。
手術後に、患者さんに守ってほしいのは、定期的な受診です。退院後1カ月で受診、そこで創や股関節の動きを確認したうえで、制限を外していきます。そのあとは頻度は減りますが定期的に受診をしてもらいます。手術を担当した医師とは一生のお付き合いと思ってください
痛みを我慢しないで、やりたいことをあきらめないで、と言いたいですね。以前は、人工股関節の耐用年数などから、ある程度の年齢になるまで手術を行うのを待っていたのですが、今は違います。痛みのために、生活を制限するなんてナンセンス、若くても、必要な人には手術してあげたいと思っています。今は人工関節そのものの性能も上がっていますし、再置換の技術も進んでいます。我慢して先延ばしにしてしまった時間は戻ってきません。必要な時に、必要な患者さんに手術をしてあげたいと思っています。
人工股関節置換術は、つらい痛みから解放され、痛みのない人生を提供できる素晴らしい手術です。医師の技術ももちろん大事ですが、患者さん自身の歩きたい、痛みを取りたいという思いや、リハビリする努力も必要です。さあ、みなさん一緒に痛みのない人生を送りましょう。
ページの先頭へもどる
PageTop