コラム24 人工関節手術を受けた患者さんを介護する方へ
人工関節置換術を受けた患者さんがその後の生活を送っていくためには、患者さんを介護者が必要です。特に、患者さんと医師とのコミュニケ―ションを円滑にしたり、患者さんの意思決定を助けたり、回復の手助けをしたりすることができます。また、患者さんの介護には大きな負担を伴いますので、介護者は、自分自身の体調面・精神面をおろそかにしないよう、注意しなければなりません。
医師にちゃんと相談する
介護者は、患者さんに代わって、医師とコミュニケーションをとる状況が多々あります。特に、疑問があれば医師にちゃんと質問する、患者さんの治療方法の選択肢を理解しておく、患者さんの回復とリハビリの計画について不安がないようにする必要があります。
事前に質問事項のリストを作成しておく
気になる心配事や疑問点を一覧にしておきましょう。医師と相談しておくとよい内容としては、患者さんの症状の変化、使用される薬剤、一般的な健康状態などがあげられます。また、介護する際に感じる不安感や介護として行うべき具体的な行為についても、相談しておくとよいでしょう。
看護師に協力を求める
看護師は、患者さんだけでなく、介護者にも気を配ってくれます。看護師は、様々な検査、診察、手術、回復、リハビリテーションなどの疑問について相談に乗ってくれますので、何か疑問に思うことなどがあったら、すぐに相談してみましょう。
退院後の診察の予約が患者さんのニーズを満たすのに十分かどうかを確認する
診察を予約するときは、患者さんができるだけリラックスできるような時間帯を選びましょう。また、十分な診察時間を確保できるように、受診を希望する理由をはっきりと伝えましょう。診察室を出た後に新たな疑問が生じたときは、そのまま帰宅せず、必ず施設のスタッフに伝えるようにしましょう。
回復のための準備を整える
患者さんが回復していく過程で想定されることを把握して、準備を整えておけば、患者さんはより順調に回復していくことでしょう。具体的には、以下のことを確認しておく必要があります。
処方剤を常備しておく
通常の薬剤だけでなく、鎮痛剤も含まれます。どのような鎮痛剤を購入するか、店頭で購入できる鎮痛剤でもよいかについては、医師に相談してください。
退院後の回復のために自宅の準備を整える
日常生活でよく使用する物は患者さんの手に届きやすい場所に置き、患者さんが転倒する原因になりそうな物は全てしまいましょう。医師から補助具などの使用を勧められたら、事前に購入しておいてください。
介護が必要な期間がどのくらいかを把握しておく
医師は患者さんの回復にどのくらいの期間が必要になるかを予想できます。
手術の切開部を清潔に保つ
介護者が切開部の包帯交換を手伝わなければならない場合もあります。
自分の体調にも気を配る
食料品の買い物から、入浴、着替え、食事などの日常動作の介助に至るまで、介護者は様々な介護を行う必要があります。そのためには、患者さんだけではなく、介護者自身の健康状態にも気を配ることが重要です。介護をされる方は、自分自身の体調管理を優先しなければなりません。常に次のことを心がけて生活しましょう。
- 健康的な食生活を送る
- 十分な睡眠をとる
- 定期的に運動の時間を設ける
- 友人や家族と絶えず連絡を取り合う
- 趣味の時間を確保する
- 誰かの手助けが必要な状況を正しく認識し、実際に助けを求める
- ストレスを管理する