コラム 4 QOL重視で広がる年齢層
アクティブな人生を!
日本で人工関節の手術が広まった70年代は、“人工関節置換術”というと、少なくとも60歳以上の高齢の患者さんに対して行う手術というイメージがありました。
ペースメーカーの電池交換と同様、人工関節も10年~15年後に入れ替える必要があるため、あまり若いうちに手術を受けると、その後2度、3度と手術を受けなくてはならないという理由からです。
しかし、活動性の高い時期に人工関節置換術を受けて人生を楽しみたい、痛みを取り除いてよりよい人生を生きたい、といったQOL(クオリティオブライフ、生活の質)重視の考えを持つ患者さんが増え、医療技術や技術革新の向上も伴い、その声に応えられるようになってきました。
また、若年性リウマチの患者さん等は30代であっても人工関節置換術を選択される場合があります。
こうしたことから、現在では人工関節を受ける患者さんの年齢層は以前よりもずっと広がっています。
こうして、傷んだ関節を人工関節に入れ替え、以前の活動性を取り戻した患者さんたちに、より生き生きとした日々を送っていただくために、次の“コラム”では心配解消のためのお話を取り上げたいと思います。