専門医インタビュー
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肩が痛くてジャケットの袖を通しにくい、腕があがらず高い位置の物が取れないといった「四十肩・五十肩」の悩みに対して、年のせいだからとつい我慢していませんか。
近年では四十肩・五十肩を引き起こす原因が少しずつ解明され始め、治療の選択肢も広がっています。肩の痛みを引き起こす疾患と治療法について、一宮西病院 整形外科部長/肩関節センター長の梶田幸宏先生にお話をお聞きしました。
拘縮肩
四十肩・五十肩は俗名で、正式な医学用語では「拘縮肩(こうしゅくがた)」や「凍結肩(とうけつがた)」と言います。
多く受診されるのは60代で、運動習慣がない方やデスクワークの方、そして女性に多く見られます。肩の動かしづらさに特徴があり、自分の力で腕を上げることができず、他⼈に動かしてもらってもあがらないことが多いです。
拘縮肩は、肩関節を包んでいる関節包(かんせつほう)が炎症を起こし、小さく縮んで固くなっていることが主病態です。明らかな原因は不明とされてきましたが、最近の報告では、重いものを無理な姿勢で持つことや、手をついた時などに起きる小さな外傷によって引き起こされると言われています。また、糖尿病の方は拘縮肩になりやすく、糖尿病でない方に比べると2~3倍発症するリスクが高いと言われています。
個人差はありますが、一般的な経過としては3つのステージをたどっていきます。
最初は「急性期(炎症期)」として肩の痛みを発症します。肩の動きはあまり制限されないので、「痛いけれど病院に行くほどではない」と我慢される方が多い段階です。
肩関節が固くなり、痛みと動きの制限が出てくる「慢性期(拘縮期)」になると、受診される方が増えてきます。ここで適切な保存治療を2~3カ月ほど続けると、約9割の方が「回復期」に移り改善に向かいます。治療を受けずに自然治癒するケースもありますが、放置されることで重症化するケースもありますので、早めに整形外科へ受診して治療を始めるといいでしょう。
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