専門医インタビュー
京都府
プロフィールを見る
中高年だけでなく、さまざまな世代で膝に痛みや違和感をうったえることがあります。京都鞍馬口医療センター整形外科医長 渥美覚先生に、中高年に多い膝が痛くなる原因や、若い方がスポーツやケガなどによっておこる痛みの原因について詳しくうかがいました。
10代、20代の方がスポーツを行っている時に、靭帯や半月板を損傷することがあります。また、痛めたタイミングがはっきりしない、使い過ぎなどが原因となるオーバーユースによって痛みが出ることもあります。オーバーユースは、継続的にスポーツを続けている場合だけでなく、しばらく運動を行っていない運動量が低下してる時、急に激しい運動を行った場合にも起こります。また成長期は身長が伸び骨も成長しますが、筋肉や腱などの組織はその成長に追いついていなく、結果的に硬い身体になってしまうことがあります。そのような状態の時に激しく運動すると、筋肉が骨に付着している部分が痛くなる、オーバーユースの1つであるオスグッド病になることもあります。そのほかに、着地動作や捻る運動などを複合的に慢性的に行うことで、軟骨下の骨が剥がれて痛みが出る離断性骨軟骨炎(OCD)と呼ばれるものなど様々な原因が考えられます。
オスグッド病
関節鏡視下手術
まだ若い方が靭帯や半月板を損傷された場合、可能な限り手術を行わない方法で治療を行います。しかし、膝の中央にある前十字靭帯が損傷しスポーツへの復帰を希望される方や、半月板に断裂が生じた場合は手術が選択肢になることがあります。高齢の方が靭帯を損傷した場合、手術を行っても予後がかんばしくないと思われるような場合もあるため専門的な判断が必要になります。
変形性膝関節症は、日本では特に中高年女性に多いのですが、長年にわたる膝の使い過ぎや、肥満、半月板損傷といったことが原因とされています。若年者の場合と違い中高年者の半月板の損傷は、加齢に伴い変性し損傷することがほとんどなので自覚症状がなく、急に腫れや痛みが出ることがあります。特に内側半月板後根(ないそくはんげつばんこうこん)損傷と呼ばれる、半月板内側の後ろにある部分が損傷し放って置くと、変形性膝関節症や骨壊死(えし)になる傾向があるので注意が必要です。
ページの先頭へもどる
PageTop