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専門医インタビュー

股関節疾患にはいろいろな治療選択肢があることをまず知ってください。その上であなたにあった治療を一緒に模索していきましょう。

山内 裕樹 先生
  • 山内 裕樹 先生
  • 医療法人八重瀬会 理事長・同仁病院 院長
  • 098-876-2212

沖縄県

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専門分野:股関節外科・脊椎脊髄外科・リウマチ外科・外傷外科 平成11年東京医科歯科大学卒業
専門医:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医

この記事の目次

『重いものを持つと股関節が痛い』、『最近、股関節の動きが悪くなったような気がする…』。
高年齢化に伴い、このような股関節に関するお悩みをお持ちの方も多いようです。一方で、病院に行くとすぐに手術の話をされるのでは、と不安で踏み出せずにいる方もいらっしゃいます。
そこで今回は、「方針はあくまでご本人のご要望に沿って立てています。まずは専門医に相談して、今ある選択肢を聞いてみてから考えても良いのでは」と話す医療法人八重瀬会 同仁病院の山内裕樹先生にお話を伺いました。

脚の付け根(股関節)が痛む病気とは?

寛骨臼形成不全症

寛骨臼形成不全症

FA(I 股関節インピンジメント症候群)

FA(I 股関節インピンジメント症候群)

高齢者の場合、脚の付け根が痛む原因の多くは変形性股関節症です。変形性関節症というのは、軟骨が老化してすり減り、骨同士がゴリゴリすれることにより症状を出します。
脚の付け根が痛む以外に、歩きはじめに痛い、クツ下やズボンがはきにくくなった、という主訴が多いですが、股関節だけではなく膝や腰まで痛いとおっしゃる方もいらっしゃいます。
変形性股関節症は寛骨臼形成不全症が主な原因として挙げられます。
股関節というのは、カップにボールがはまっているような関節なのですが、寛骨臼形成不全症の方はそのカップの屋根が浅くなっています。
その状態が続くと荷重部の軟骨に過度に負担がかかり、加齢とともに軟骨がすり減ってきてしまい、変形性股間節症として症状が現れてきます。
寛骨臼形成不全症は圧倒的に女性が多く、変形性股関節症も女性に多いのが特徴的です。
最近良く言われるFAI(股関節インピンジメント症候群)と言われる状態も変形の原因になることがあります。
こちらはカップの屋根が大きすぎて、下にある骨が動いた時にゴツゴツ当たりその部分の骨が出っ張ってきて変形に至ってしまう、という症状です。
その他、お酒を沢山飲まれたりする方や、膠原病のひとつであるSLE(全身性エリテマトーデス)の方などによくみられる大腿骨頭壊死症、股関節の腫瘍や関節リウマチ、骨折等の外傷も痛みの原因になり得ます。

変形性股関節症と言われた場合、日常生活ではどんなことに気をつけたら良い?

山内 裕樹 先生

まずは体重コントロールが大事です、できれば骨や筋力の状態を把握したうえで、具体的な体重目標を決めることが大切です。
また人によって、進行の度合いや痛みの程度は全く違いますので、定期的に専門医を受診し、進行状況を確認することも大切かと思います。

変形性股関節症にはどのような治療法がある?

変形性股関節症の進行

変形性股関節症の進行

最初は保存的治療です。例えば痛み止めの薬の内服や、筋力トレーニング、生活指導、体重コントロールなどから始めることが多いです。ただし変形がかなり進み、末期の状態だと効果があまり見込まれないこともあります。手術療法としては骨切り術(骨を切ってずらす手術)や人工股関節置換術といった方法などがあります。人工関節置換術は国内では年間5 万例以上行われており、股関節の痛みがかなりスッキリ取れるのが一番のメリットだと思います。変形は前期、初期、進行期、末期という4段階に分かれているのですが、人工股関節置換術 は、主に進行期以降の方にお勧めすることが多いです。


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