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専門医インタビュー

いろんな方法を試したけれどまだ痛い…人工膝関節で人生が変わることもある

根本 昌幸 先生

千葉県

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昭和31 年茨城県生まれ、昭和58 年に順天堂大学医学部附属病院整形外科。平成5 年にアメリカ ミネソタ州 メイヨー クリニックにて研修。平成6 年、 医療法人成春会 北習志野花輪病院整形外科 整形外科部長 勤務。平成11 年 同法人北 習志野花輪病院 副院長を経て、理事就任。平成15 年に現職。日本整形外科学会 整形外科専門医、日本整形外科学会リュ ウマチ認定医、日本整形外科スポーツ医学会 認定医、日本リハビリテーション医学会 臨床認定医。

この記事の目次

高齢化が続く中、膝の痛みを抱えて困っている人がたくさんいます。サプリメントの宣伝広告もひっきりなしに流れているし、町の中には「リハビリ」や「整骨」などの看板もあふれています。「長い間いろいろな治療を続けているけれど、膝が痛くて外出もできないとあきらめないでほしい」と話す根本昌幸先生に、うかがいました。

年齢とともに軟骨がすり減る

健康な膝(左)と痛んだ膝(右)

健康な膝(左)と痛んだ膝(右)

年齢を重ねるごとに、だれでも膝関節の軟骨が摩耗してきます。とはいっても、高齢者全員に、痛みなどのつらい症状が生じてくるわけではありません。80歳、90歳でも、膝には何も問題なく元気に動いている人もいるわけです。その違いはなぜ出るのか、よくわかっていません。
変形性膝関節症の10%程度は外傷によるものですが、ほとんどは加齢のために膝が傷んでくるケース。軟骨のすり減りが徐々に進み、3年、5年とたつうちに痛みのために日常生活が不自由になってくるというのが一般的な経過だと思います。
変形性膝関節症は、圧倒的に女性に多く見られますが、それもなぜなのかはわかっていません。遺伝的な要因もあるらしいといわれていますし、また、肥満の人ほど膝に負担がかかりやすいのも明らかです。
とはいえ、痩せていても膝痛に悩まされている人はいます。変形性膝関節症は、原因が複雑に絡み合って年齢とともに痛みが出てくるのです。ほかにも、関節リウマチ、痛風、偽痛風などでも膝の痛みが生じます。若い頃にスポーツをしていて靭帯を傷めた人が、15年、20年経って軟骨の障害が出ることもあります。いろいろなケースを取り除いたうえで、年齢的な膝関節の衰えである変形性膝関節症を疑います。

動き初めに痛くなる、膝に水がたまることも

根本 昌幸 先生

始めに気付くのは、動作を始める時に感じる膝の違和感、痛みです。
歩き始めの第一歩、立ち上がった時、特に階段を降りる時に痛みを感じるのが、変形性膝関節症の特徴的な症状です。
症状は徐々に進み、膝に水がたまったり腫れてくることもあります。水がたまると、なおさら痛くなりますが、抜いても痛みが取れるわけではありません。軟骨がすり減り摩耗すると、カスのようなものが出て関節を包んでいる滑膜を刺激し、炎症を起こします(滑膜炎)。
膝の中の水を一定にするという滑膜の役目が破たんして、水がたまるというわけです。
軟骨はレントゲンには映らないので、隙間があいてみえます。その隙間が少なければ少ないほど、軟骨が失われていると考えます。痛みが強い場合は、MRIの検査も考えます。関節の損傷の度合いが分かります。
しかし、特に大事で力を入れているのが触診です。膝が腫れていないか、グラグラしていないか、膝を触って診るとたいていのことは分かります。


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